2018 Fiscal Year Research-status Report
DNAジェリーと間葉系幹細胞シート併用による歯周組織再生療法
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18K17161
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山本 南奈 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60736677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DNA / DNAジェリー / 水平性骨吸収 / スペースメイキング / 間葉系幹細胞シート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、賦形性を付与できるDNAジェリー状スキャフォールドと歯根膜由来間葉系幹細胞シート併用における新しい歯周組織の再生療法を目指している。現在行われている歯周組織再生療法では、適応症はスペースメイキングが可能な垂直性骨吸収のみという制限がある。しかし、我々が開発した材料を利用することで、水平性骨吸収部位にもスペースメイキングを可能にし、歯槽骨を誘導できると考えた。歯根膜の再生を誘導するために歯根膜由来の間葉系幹細胞シートを併用することで、水平性骨吸収部位において、健全で機能的な歯周組織の再生を目指している。歯周病が全身疾患の発生および進行リスクに関与することはよく知られている。一方、歯周病治療によりこれらの疾患の発症・進行が予防され病態も改善される。しかし、歯周ポケットの軽減、骨再生、上皮の進入防止を目的とした対症療法であり、最も必要な歯根膜再生を伴わないので抜本的な治療法とは言いがたい。さらに、現在行われているエナメルマトリックスタンパク質を用いた歯周組織の再生療法では全ての骨欠損には対応出来ていない。DNAの分子量を変化させることで、複合体の生体分解性を調節できること、混和するとジェリー状になること、また細胞や組織毒性は軽微であること、DNAジェリーを凍結乾燥により固形化すると細胞が播種でき、多孔体構造を有して優れた骨形成を示した。この補填材が賦形性を持つジェリー状として使用出来ることは複雑な骨欠損の形態に適応可能であるという魅力的な利点を具備している。本研究では歯周病による骨欠損を想定してラット顎骨欠損モデルを用いて骨再生を評価する。さらに、新生骨形成を促進するために骨形成関連サイトカインや細胞接着タンパク質などのクロスリンク剤を用いて多孔DNAスキャフォールドに結合させたサイトカイン・細胞接着タンパク質共役型DNAスキャフォールド材を作製して評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
歯周病による骨欠損を想定してラット顎骨欠損モデルを用いて骨再生を評価するため規格性がある骨欠損モデルを作製できるよう手技を確立する。
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Causes of Carryover |
想定していた金額より安価な物品が多かったため
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