2020 Fiscal Year Research-status Report
ARONJに対するテリパラチド投与における骨代謝動態および病理組織学的検討
Project/Area Number |
18K17167
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森下 廣太 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50779519)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ARONJ / テリパラチド |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年にビスホスホネート製剤で顎骨壊死が起こることが報告されて以降、同様の顎骨壊死の報告が散見され、現在では広く知られている。また、ビスホスホネート製剤だけでなく抗RANKL抗体であるデノスマブでも顎骨壊死が起こることが報告されている。これらの顎骨壊死はエビデンスのある治療法が確立されていないため一度発症すると治療に難渋することが多く、また、施設間で治療法が異なっているのが現状である。手術療法の治癒率が高いとする報告が多い一方、全身状態を考慮して手術を回避せざるを得ない症例も多数見受けられる。近年、骨吸収抑制剤関連顎骨壊死(ARONJ)に対して遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチドの間欠投与が報告され一定の見解を得ている。本研究はテリパラチドがどのような機序でARONJにおける骨破壊を抑制しているかを明らかにし、テリパラチド療法をエビデンスのある新たな治療法として確立することを目的としたものである。 2019年度にテリパラチド療法の臨床的な有効性を示した論文がJournal of Orthopaedic Scienceにacceptされた。2020年度はin vitroの実験を開始した。まず、テリパラチドが骨へ及ぼす影響を調べることを目的として、マウスの頭蓋骨にLPSを投与して炎症を惹起させ、その後、テリパラチドを投与して骨吸収量や破骨細胞活性を調べた。その結果、テリパラチド投与により一時的に破骨細胞の数は増加するが、その後、骨吸収量が減少することが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroの研究を開始しているが、まだ十分な結果が得られていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスのARONJモデルを作成し、テリパラチド投与がマウスのARONJモデルに対してどのように骨代謝動態を変化させるかを調べる予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度は、研究代表者の異動および社会情勢により十分な時間が確保できず、動物実験が行えなかった、2021年度に動物実験を進めて結果の解析を行う予定のため、実験や解析に必要な器材を購入する予定である。
|