2018 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部骨化の鍵となる膜性骨が関与する「筋・腱・骨複合体」の組織構築機序の解明
Project/Area Number |
18K17180
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 将仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90733767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋・腱・骨複合体 / 頭頚部 / 膜性骨 / Sox9 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎顔面領域で舌や口腔底部、下顎周囲の腫瘍により下顎骨を切除した症例は、下顎の左右 対称性が失われ、機能時にきわめて不安定な運動様相を呈する。現在、切除された下顎骨は チタンプレートと自家骨移植の併用などにより再建手術が行なわれているが、切離した筋と 骨の再付着が困難なことから、咀嚼・嚥下障害などの術後合併症に悩む患者が多い。この問題を解決するために、顎顔面領域における筋付着部の再生に向けた、『筋-腱-骨複合体』の発生・組織構築メカニズムの基礎研究を進める必要がある。申請者はこの問題解決に向けて、頭頸部における筋の骨格への付着部位を 『筋-腱-骨複合体』として 1 つの機能的単位として捉え、動力機能を獲得するメカニズムの解明を推進してきた。その結果、膜性骨が関与する特殊な『筋-腱-骨複合体』の組織構築メカニズムを見いだした。本申請により、1)膜性骨近傍に発生する腱芽細胞と筋芽細胞の初期付着機構、2)膜性骨と腱の付着メカニズムを解析し、頭頸部骨化の鍵となる膜性骨と、腱、筋の各コンポーネントがどのように連結して『筋-腱-骨複合体』を組織構築するのかを明らかにする。これにより、間葉系幹細胞から分化した筋、腱、骨が複合組織として再生し、顎骨再建手術により切離した筋付着部を再建できる新たな治療法開発の基盤構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度において、「筋-腱-骨複合体」は骨化過程に依存して2つの発生過程を辿るのではないかと考え、胎生期マウス(C57BL6J)を経時的に観察した。発生初期において「筋-腱-骨複合体」は、軟骨、膜性骨に関わらず ① 転写因子であるSox9が陽性の腱・骨前駆細胞群と ② 筋特異的中間径フィラメントであるDesmin陽性の筋前駆細胞群 の2種の細胞が接触することにより開始していた。しかし、胎生期マウスの発達にともない、軟骨と腱の接合部ではSox9が継続して発現するが、膜性骨と腱の接合部ではSox9の発現が減弱していることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
膜性骨と腱の接合部ではSox9の発現が減弱したため、「膜性骨型腱-骨付着部の発生にSox9が必要なのか」という疑問が生まれた。これを明らかにするために現在、頭部神経堤細胞(腱と骨の起源)領域のSox9が欠失するマウスを作出中であり、膜性骨型腱-骨付着部におけるSox9の必要性を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
免疫染色の抗体の検討(予備実験)がスムーズだったことから、抗体の購入本数が少なかった。そのため、本年度は差額が生じた。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 筋の骨への付着部形成過程におけるSox-9の局在に関する免疫組織化学的検索2018
Author(s)
29.冨田尚充, 永倉遼太郎, 山本将仁, 松永 智, 四ツ谷護, 大平真理子, 菅野亜紀, 大久保真衣, 佐藤正樹, 比嘉一成, 阿部伸一
Organizer
第305回東京歯科大学学会例会
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