2019 Fiscal Year Research-status Report
細胞シートによるBRONJの新規治療法の開発と次世代シーケンサーによる病態解明
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18K17181
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
貝淵 信之 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (50621330)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビスフォスフォネート / 顎骨壊死 / 骨髄炎 / ビーグル犬 / 細胞シート / 間葉系幹細胞 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに行なったラットでの実験結果をもとに、この治療法を臨床応用へと発展して行くために大動物による移植実験による有効性の確認を行い、非臨床POCの取得を目指している。また、並行して患者から採取した細胞を用いて、臨床研究で使用する移植細胞の選定要件の確立を行うために、次世代シーケンサーを用いた解析を行う計画をした。 大動物実験は、あらかじめ抜歯を行い一部無歯顎の顎堤のあるビーグル犬を作製し、さらにゾレドロン酸とデキサメタゾンを投与し、粘膜剥離、顎骨の切削を行 いビスフォスフォネート関連顎骨壊死様モデルの作製を試みた。外科処置1ヶ月後に処置を行なった顎堤に骨露出と周囲粘膜の炎症所見が確認された。治療効果 を検討するための移植実験に使用可能なモデルであった。また、同様な処理を行なったビーグル犬に予防的に間葉系幹細胞シートを移植することで、顎骨壊死の 発症を予防できることも確認した。また、細胞シートの移植を行なっていない対照群では、病理組織学的にも骨髄炎の様な所見が得られた。これらの結果は第26 回日本有病者歯科医療学会で報告し、発表優秀賞を受賞、また、第28回日本口腔インプラント学会で報告し、デンツプライシロナ賞を受賞した。さらに、 Regenerative Therapy誌に投稿し、すでにパブリッシュされている。また、次世代シーケンサーによる解析研究に関しては、骨吸収抑制剤を投与された患者及び健常者から採取した歯肉から間葉系幹細胞を採取した。今後、mRNAを抽出して次世代シーケンサーによる解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は、大きく大動物実験による大動物モデルの確立とそのモデルへの移植実験による治療の有効性の確認、および患者由来細胞の次世代シーケンサーによ る解析である。 大動物実験に関しては、大動物モデルの作製法は概ね確立してきている。また、移植実験も治療法の有効性を担保できる結果が出ており、学会発表、論文投稿の 段階まで進展している。しかし、患者由来細胞の次世代シーケンサー解析研究に関しては、倫理委員会の承認に時間がかかったこと、また、患者の受診が想定より少なくリクルートに手間取った。研究成果の報告を国内外の学会で予定していたが、新型コロナウィルスの蔓延により多くの学会が中止となった。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来細胞をさらに多くの患者から採取して次世代シーケンサーの解析を行う予定である。学会の開催がされるようになった時点で、研究結果を報告していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度に実施予定であった患者由来細胞の次世代シーケンサー解析研究に関して、倫理委員会の承認に時間がかかったこと、また、患者の受診が想定より少なくリクルートに手間取ったため十分に実施できていない。また、研究成果の報告を国内外の学会で予定していたが、新型コロナウィルスの蔓延により多くの学会が中止となった。今後、患者由来細胞をさらに多くの患者から採取して次世代シーケンサーの解析を行う予定である。学会の開催がされるようになった時点で、研究結果を報告していく予定である。
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Research Products
(1 results)