2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation around the ganglion with the image to perform stellate ganglion block safely
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18K17182
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
浅井 まどか (鈴木まどか) 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (80757310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 星状神経節ブロック / 超音波ガイド下 / 血管穿刺 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科に関連する顔面の疾患には、三叉神経痛(顔の痛み)や顔面神経麻痺(顔が動かない)などがあり、治療法の一つとして、首に麻酔薬を注入することで、血流を改善し痛みや痺れをやわらげることができる星状神経節ブロック(以下、SGB)が行われる。SGBを行う部位には多くの血管が存在しているため、注射針により血管を刺して全身痙攣、意識消失が生じる場合がある。SGB実施時の血管穿刺に関係する合併症の原因血管の一つとして、椎骨動脈であるという報告がある。一般的に、椎骨動脈は第6頸椎横突孔から錐体内に進入するが、より上位錐体レベルから進入する破格が認められ、個人差がある。また、下甲状腺動脈に誤刺入すると、後咽頭間隙血腫を起こす症例もあるとの報告がある。今回研究では、歯科領域でブロックを行う第6頸椎に着目し、椎骨動脈またその他の血管について、超音波検査装置にて描出を行った。 対象は健常のボランティア5名(男性:2名、女性:3名)とし、超音波検査装置を用いて左右頸部(10例)の第6頸椎レベルでの血管走行を観察した。体位は歯科用ユニットのチェアーを用いて、臨床で行うSGBと同じ体位である水平位にした。第6頸椎レベルは輪状軟骨の高さを基準とした。血管はドプラ―を用いて確認した。結果、第6頸椎レベルで椎骨動脈を認めた症例は10例中1症例(10%)で描出された。また、下甲状腺動脈を認めた症例も10例中1症例(10%)であった。第6頸椎周囲の血管に個人より走行の差があるため、SGBの穿刺を行う際は、超音波ガイド下にて血管の走行を確認しながら穿刺をし、合併症のリスクを少なくするべきである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
超音波検査装置のレンタルを考えていたが、購入するほうが安価であり解像度が良いため、購入することにしたが、納入が遅くなってしまった。プローブは論文を読むとリニアプローブで行う症例もあれば、マイクロコンベックスプローブで行う症例もあり、今回その2種類のプローブを購入することができたので、両方のプローブで観察することにした。しかし、歯科領域ではリニアプローブを機会が多く、マイクロコンベックスプローブは深い部分まで観察可能であるが、リニアプローブと比較して、解像度が低下し、範囲が狭いため、見慣れず、人により見え方が異なるため、血管特定することが困難であり、時間がかかってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
献体での超音波検査の血管描出は困難であるため、同大学の職員でのボランティアを用いた研究行うことに方針を変更した。今後はボランティアを少しずつ増やし、本来はリニアプローブで研究を行う予定であったが、文献によってはマイクロコンベックスプローブでも神経節ブロックを行っているため、2種類のプローブを用いて、研究を進める。第7頸椎および歯科領域では第6頸椎で神経節ブロックを行うため、特に第6頸椎に着目して、血管の走行および分類を続ける。また、超音波ガイド下での神経節ブロックは頸長筋に刺入するため、血管以外にも頸長筋の観察を行う。そして、実際に星状神経節ブロックを行う歯科麻酔科医のアドバイスの基に研究を進めていこうと思っている。
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