2019 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いたシェーグレン症候群の自動診断および治療法の選択・治療効果の予測
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18K17184
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30513197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Deep learning / シェーグレン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究は、シェーグレン症候群および健常者の耳下腺・顎下腺の超音波画像を使用し、Deep learningによる診断精度と経験の浅い放射線科医の診断精度を比較しDeep learningの有用性を評価した。結果としてはDeep learningの耳下腺の診断精度はaccuracyが89.5%、sensitivityが90.0%、specificityが89.0%、AUCが0.948であり、顎下腺はaccuracyが84.0%、sensitivityが81.0%、specificityが87.0%、AUCが0.894であった。一方、経験の浅い放射線科医の耳下腺の診断精度はaccuracyが76.7%、sensitivityが67.0%、specificityが86.3%、AUCが0.810であり、顎下腺はaccuracyが72.0%、sensitivityが78.0%、specificityが66.0%、AUCが0.786であった。Deep learningと経験の浅い放射線科医のAUCの間には耳下腺・顎下腺ともに有意差が認められた。このことから、Deep learningによるシェーグレン症候群の超音波画像診断は臨床的に有用であり、診断のサポートとして使用できることが示唆された。 また、2018年度に使用した画像に加え冠状断や矢状断のCT画像を追加し診断精度が向上するか否かの検討に関しては、軸位断画像のみで十分な診断精度(accuracy 96.0%、sensitivity 100%、specificity 92.0%、AUC 0.960)が得られたため行わなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に必要な物品を購入することができた。 顎下腺のCT画像およびMRI画像の分析は対象患者の状態や画像データの状態により実行できなかったが、超音波画像を追加項目に含めることによりそれらを補うことができ、画像診断が難しい超音波画像においてもDeep learningは高い診断精度を有することが証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、人工知能によるシェーグレン症候群の進行度に対応した治療法の選択・治療効果予測の検証を行う予定である。これは、シェーグレン症候群の進行度の違いによる副腎皮質ホルモンの局所投与・セビメリン塩酸塩投与の治療効果を調査し、得られた結果を人工知能に学習させ、その学習モデルを作成することである。
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Causes of Carryover |
(理由) データバックアップのため購入したNASシステムの費用を低く抑えることができたため。 (使用計画) 国際誌への論文投稿のための費用および学会参加の費用に使用する予定。
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