2019 Fiscal Year Research-status Report
HDSI法を用いた抗菌性積層造形チタン人工骨の開発
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18K17185
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
山本 佳代子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70814094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨再生 / 混酸・加熱処理 / 骨セメント / 積層造形 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は顔面顎頭蓋部の骨欠損部に対する再建材料として、純チタン粉末から自由造形が可能な選択的レーザー溶融法(SLM法)を用いて新規骨再生マテリアルの開発を進めている。これまでにSLM法造形チタン人工骨に様々な生体活性処理を施し、ラットなどの小動物の骨欠損での基礎研究を行ってきた。その結果、混酸・加熱処理を施したSLMチタン人工骨が良好な骨形成能を示すことを明らかにした。 留学先であるThe University of British Columbiaにおいて、SLM法造形チタン人工骨を埋植する際の最適な固定方法の確立を目指し、新規骨セメントの開発を企画した。既存の医療セメントに生体活性処理を施したチタン粉末を添加しその機械的性質の変化・抗菌性の獲得の有無について検討した。その結果、混酸・加熱処理を施したチタン粉末の添加により既存医療セメントのcompressive strengthやflexural strengthは低下しない、あるいは向上すること、高い割合で混酸・加熱処理チタン粉末を添加することで抗菌性を獲得することを明らかにした(The 97th and 98th General Session of the International Association for Dental Researchで発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体活性処理を施したチタン粉末の添加により既存医療セメントの機械的性質が向上すること、抗菌性を獲得することを明らかにした。今後生体内での基礎研究に発展させるために理想的な新規医療セメントの組成を決定することができた。したがっておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに明らかにした理想的な組成の新規医療セメントのラット生体内での有用性を検討する。ラット頭蓋骨に骨欠損を作成し、同部における有用性・安全性について検討を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度は海外留学による休職のため研究費を使用することができず、期間延長をして2020年度に研究費の繰越を行ったため。 2020年度は動物実験および新規材料を使用した追加実験を実施するためその費用に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)