口腔がん組織マイクロアレイによる免疫プロファイリングで免疫療法を適切におこなう

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K17187
• Research Institution: Tokyo Metropolitan Tama Medical Center (Department of Clinical Research)
• Principal Investigator: 渡部 幸央 東京都立多摩総合医療センター(臨床研究・教育研修センター(臨床研究部)), 歯科口腔外科, 医員 (50733490)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 口腔がん / 組織マイクロアレイ / がん免疫 / バイオマーカー

Outline of Annual Research Achievements

口腔がん患者におけるがん免疫が生命予後に与える影響を口腔がん組織マイクロアレイによる免疫プロファイリングを通して検討した。これまでに口腔がん組織マイクロアレイを用いてCD3，CD4、CD8、CD10、CD20、CD45、CD57、CD68 、CD141、CD163 、FOXp3mの免疫染色を終え、それぞれの陽性細胞数の定量化をおこなった。さらに末梢血データから算出されるinflammation based prognostic scoreとしてNLR、PLR、LMR、PNIを患者毎に測定した。以上の結果を用いてがん免疫に関与する予後予測バイオマーカーの抽出をおこなった。免疫染色による免疫プロファイリングデータおよび末梢血データによるinflammatory based prognostic scoreを組み合わせることで口腔癌患者の予後予測を可能とするバイオマーカー候補を抽出することができた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

免疫プロファイリングデータとinflammatory based prognostic scoreを組み合わせたことで、口腔がん患者におけるがん免疫と関与する予後予測バイオマーカー候補の抽出までを終えることができた。

Strategy for Future Research Activity

口腔がん組織マイクロアレイデータをトレーニングコホートと位置づけ、新たに検証コホートを用いて抽出されたがん免疫に関与するバイオマーカーの有用性を評価する予定である。またそのバイオマーカーが口腔がん抗PD－1抗体使用患者にとってどのような意義があるのかを評価するために当科で抗PD－１抗体を使用した患者のデータ収集をおこない治療効果予測マーカーとなり得るか検証する。

Causes of Carryover

本年度までに実施した研究データを用いてバイオマーカー候補の抽出をおこなっていたため支出額が少なく次年度使用額が生じた。次年度は検証コホートを用いたバイオマーカー研究として免疫染色をおこなう予定である。また、論文作成に必要な英文校正費や投稿費および参考文献としての書籍費用として計上する予定である。