2018 Fiscal Year Annual Research Report
TUG1を標的とした口腔癌新規エピゲノム治療法の開発
Project/Area Number |
18K17197
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市村 典久 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90770280)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / エピゲノム / TUG1 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行口腔癌の治療成績は過去20年間で改善を認めていない。画像診断や治療技術の進歩に対して、Precision Medicineを実現するための遺伝子解析や有効な治療標的同定の遅れがその原因の一つといわれている。口腔癌は発癌を促進する強力なDrivingforceを有する遺伝子変異(ゲノム異常)が特定されておらず、エピゲノム異常が有効な治療標的となり得る。 TUG1は口腔癌にて最も高頻度な遺伝子変異を有する上位2遺伝子、TP53、Notch1の制御下で機能する非翻訳RNAであり、口腔癌の発生、進展への関与が強く示唆される。本研究は口腔癌を対象に、TUG1を標的とした新規治療法の開発と治療成績の向上を最終目標とし、細胞実験と動物実験を通して口腔癌に対するTUG1の抗腫瘍効果について明らかにすることを成果とする。 平成30年度は主に細胞株を用いた実験を行った。2種類の口腔癌細胞株(Ca9-22, Sa3)を対象として、TUG1をsiRNAおよびアンチセンス核酸を用いてknockdownさせ、MTT Assayおよび Wound Healing Assayを行ったところ、共にTUG1 knockdown群では有意に細胞増殖能、遊走能の低下を認めた。さらにTUG1のターゲット遺伝子を同定する目的で、アンチセンス核酸にてTUG1をknock downさせた細胞株をマイクロアレイにて解析し、controlと比較し有意に2倍以上発現の減少する遺伝子を解析した。当該課題廃止後も研究を継続し、複数の細胞株を用いてアレイの解析のvalidationを行っていく予定である。また、Western blotting法によるCaspase-3やPARPの検出、FACSよるアポトーシス細胞の検出を行いTUG1の口腔癌細胞に対する抗腫瘍効果についてより詳細に解析する予定である。
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