2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌のΔNp63βを介したEMTにおけるmiR-205の役割について
Project/Area Number |
18K17200
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋口 有真 九州大学, 大学病院, 医員 (80805268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ΔNp63 / ΔNp63β / EMT / miRNA / miR-205 / ZEB1 / ZEB2 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の浸潤・転移には、上皮-間葉転換(EMT)が関与していることが明らかとなてきた。これまでにわれわれは、口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞において、p53のホモログであるΔNp63のスプライシングバリアントであるΔNp63βが、EMTの誘導に関与していることを示し誌上報告を行っている。しかし、その詳細な分子機構は未だ不明であったが、その分子メカニズムの検索過程においてmiRNAが重要な役割を担うことを導き、OSCC細胞株において、ΔNp63を発現していない高転移株SQUU-B細胞に対して、ΔNp63βベクターを導入した強制発現株SQUU-BO細胞と、コントロールとして空ベクターを導入したSQUU-BC細胞の2つを用いてmiRNAマイクロアレイ解析を行い、ΔNp63を強制発現させた際に最も発現に変動を認めたmiR-205について着目した。miR-205がΔNp63βを介したEMTにどのように関与するのかOSCCにおける発現と機能を検討し、miR-205がZEB1およびZEB2の発現を直接的に調節することで、OSCC細胞の遊走能・浸潤能に影響を与えていることを明らかにした。 さらに、ZEB1・2以外の標的遺伝子が関与したΔNp63βを介したEMTについても解析していくために、miR-205の相同する塩基配列からTargetScan(version 7.2)というツールを用いることで、594の遺伝子を候補として挙げた。これまでにわれわれは、SQUU-BO細胞・SQUU-BC細胞の2つを用いたDNAマイクロアレイ解析も行っており、ΔNp63βの強制発現に伴って変動した遺伝子の中で、さきほどのmiR-205の標的となる候補遺伝子と合致するものをピックアップした。その結果、ZEB1・2以外にも、BMPERなど26の遺伝子がそれに該当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ΔNp63βを介したEMTに関与するmiRNAとしてmiR-205を同定し、OSCCにおける発現と機能を検索し得た結果についてはJ Cell Physiol誌にTumor-suppressive roles of ΔNp63β-miR-205 axis in epithelial-mesenchymal transition of oral squamous cell carcinoma via targeting ZEB1 and ZEB2.として掲載された (2018 Oct;233(10):6565-6577. doi: 10.1002/jcp.26267. Epub 2018 May 10. )。現在はそれに続く研究を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、ΔNp63βを介したEMTに関連するmiR-205の標的遺伝子として、ZEB1およびZEB2以外にも重要な鍵となりそうな遺伝子をピックアップしたため、その発現解析等を進めていく。また、可能な限りin vivoの実験も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していた国内外の学会への参加ができず、旅費に充てる使用額が当初の予定よりも少なくなっている。翌年度の物品購入に充てる予定としている。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Involvement of increased cytokeratin 19 expression via down-regulation of ΔNp63 in invasion and metastasis of oral squamous cell carcinomacarcinoma2019
Author(s)
Shoichi Tanaka, Shintaro Kawano, Taichi Hattori, Taiki Sakamoto, Yuma Hashiguchi, Naoki Kaneko, Yurie Mikami, Masahiko Morioka, Yasuyuki Maruse, Ryoji Kitamura, Eiki Hamada, Megumi Hiwatashi, Kazunari Oobu, Tamotsu Kiyoshima, and Seiji Nakamura
Organizer
7th World Congress of the International Academy of Oral Oncology(IAOO)
Int'l Joint Research
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