2018 Fiscal Year Research-status Report
鼻フローモニタリングは静脈内鎮静時の呼吸異常を低減するか:ランダム化比較試験
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18K17206
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
幸塚 裕也 昭和大学, 歯学部, 助教 (50623724)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 静脈内鎮静法 / 呼吸異常 / 鼻内圧測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
静脈内鎮静法は歯科においても治療を円滑かつ安全に遂行するために広く用いられているが、静脈麻酔薬による呼吸抑制に加え、特に歯科領域では歯牙切削時に口腔内に注水を行うため誤嚥等のリスクが高く、慎重な呼吸管理が必要とされる。しかし、一般的に用いられている経皮的酸素飽和度測定は無呼吸低呼吸などの呼吸異常を迅速かつ正確にとらえることは出来ない。研究代表者は先行研究で簡易睡眠検査装置の鼻フローセンサーを用いた呼吸モニタリングにより、経皮的酸素飽和度測定だけでは発見できない呼吸異常を発見できることを示した。本研究の目的は鼻フローセンサーのモニタリングにより、呼吸異常の変化を早期発見し対処することで、鎮静中の呼吸異常の頻度を減らせるかをランダム化比較試験で検証する。また呼吸異常の頻度と関連する背景因子の検討も行い、安全な静脈内鎮静法のための新たな呼吸モニタリングとリスクスクリーニングの手法を確立することである 平成30年度は研究体制の構築を行った。簡易睡眠検査装置を用いた鼻フローモニタリングと同時に生体モニタ情報、術野記録カメラ、患者体動記録カメラを同時記録できるシステムを構築し、運用可能な状態とした。このシステムを用いることにより、それぞれの記録の時間的誤差を解消することができ、より正確なデータ収集と解析を可能にした。このシステムを用いた記録を第30回日本臨床モニター学会総会にて発表した。次年度よりデータ収集を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では本年度中にデータ収集を開始する予定であったが、研究代表者の異動もあり平成31年度よりデータ収集が開始できるよう準備を進めている。サンプルサイズは92名で、46名ずつ2年間でデータ収集を行う予定であったが、適応基準を満たす患者は1日平均3名程度来院しているので、期間内に予定症例数を十分カバーできる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度中にサンプルサイズの半数のデータ収集を終え、中間解析と中間発表を行う。術前睡眠時無呼吸評価で無呼吸低呼吸指数が0~5回/時間のNon-OSA群と5~15回/時間のMild-OSA群において、鼻内圧測定により鎮静深度を調整する介入群と調整しない非介入群との間に呼吸異常頻度に有意差があるか検定を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度はデータ収集を開始できなかったため、睡眠記録検査装置の購入を見合わせたため物品費が大幅に予算を下回った。次年度購入予定である。
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Research Products
(1 results)