2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17211
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
後藤 隆志 朝日大学, 歯学部, 講師 (30637898)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | トラマドール / 術後鎮痛 / 口腔外科手術 / 静脈内投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に行った予備実験においてトラマドール静脈内投与時に高頻度に悪心の副作用を認めたため、トラマドール静脈内投与の安全性および至適用量・用法を検討するために探索的研究を行うこととした。また、本研究は特定臨床研究にあたるため、厚生労働大臣認定臨床研究審査委員会の承認、jRCTへの登録が必要となる。そこで、東京大学医学部附属病院臨床研究支援センターにおいて研究プロトコールおよび統計学に関する指導を受け、2019年9月18日に東京大学臨床研究審査委員会の承認を得ることができた。その後、jRCTに登録を行い、2019年10月1日に公開された(登録番号:jRCTs031190108)。 トラマドール静脈内投与の投与量および投与速度を、A群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、B群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、C群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、D群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、E群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、F群(1.0 mg/kg、緩徐投与)、サンプルサイズは各群6名と設定した。また、安全性を考慮し、A群→D群→B群→E群→C群→F群の順にデータ採取を行うこととした。現在、A群(6名)についての観察が終了した。トラマドール投与後の主要評価項目である悪心・嘔吐の出現率は0%であった。副次評価項目は、Stanford sleepiness scale、observer assessment of alertness / sedation scale、digit symbol substitution test、timed up & go test、重心動揺検査、バイタルは正常範囲内であった。依存性・中毒性は認めず、試験後のアンケートにおいても特記事項はなかった。以上より、トラマドール 1.0 mg/kgの緩徐静脈内投与は副作用の出現はなく、安全であると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
口腔外科手術の術後疼痛管理にトラマドール静脈内投与は有効かどうかの検証を行っていたが、副作用である悪心・嘔吐の出現率が高かったため、トラマドール静脈内投与の安全性の確認をすることを目的として、用法・用量を設定してデータ採取を行う必要性があった。そのため、当初の術後疼痛管理に関する研究を行う前に、トラマドール静脈内投与の安全性を確立するための探索的研究を行っているのが現状である。探索的研究については、概ね順調に行われている。
|
Strategy for Future Research Activity |
トラマドール静脈内投与のA群(1.0 mg/kg、緩徐投与)での用法・用量では安全性が確認されたため、続いてD群→B群→E群→C群→F群とデータ採取を進める予定である。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、被験者の登録・データ採取等が遅れる可能性が示唆されるが、社会情勢を踏まえつつ、可能な限り研究を遂行する予定である。本研究内容は2020年度日本歯科麻酔学科で発表予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額は、現在行っているデータ採取の被験者(36名:10,000円/人、計36万円)への謝金の一部として使用する予定である。現在、データ採取が滞っているため、17名分の謝金額が次年度使用額となっている状況である。順次、データ採取を行うため、予定通りの使用を見込んでいる。
|