2018 Fiscal Year Research-status Report
薬剤関連顎骨壊死に対する亜鉛イオンを用いた新規治療法の開発
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18K17216
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
逸見 朋陽 山形大学, 医学部, 医員 (60811924)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 薬剤関連顎骨壊死 / 骨リモデリング / 粘膜上皮ターンオーバー |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤関連顎骨壊死(medication-related osteonecrosis of the jaw; MRONJ)は発症すると難治性であり臨床上大きな問題となっている。現在までに詳細な病態生理は解明されていないものの、これまでの基礎的・臨床的研究の結果、骨芽細胞機能抑制とそれに伴うRANKL産生低下、破骨細胞分化抑制による骨吸収抑制、血管新生抑制による顎骨・口腔粘膜上皮への栄養供給の遮断など、正常骨における骨リモデリング阻害や口腔粘膜上皮のターンオーバーが破綻した状態であることが指摘されている。生体内微量元素の1つである亜鉛は必須微量元素としてヒト体内に存在し、骨芽細胞を活性化し分化を促進することで骨量の増大をもたらす事が報告されている。さらに近年、亜鉛の創傷治癒促進作用に関するin vitro、in vivoにおける研究成果が報告されている。 種々の疾患における根本的治療を考慮した際、病因へのアプローチが不可欠となるが、MRONJにおいては骨芽細胞分化の回復と口腔粘膜上皮におけるターンオーバーの回復が重要であり、亜鉛の骨芽細胞分化促進作用および粘膜上皮の創傷治癒促進作用はこれらの問題点に対応できるものであると考えられる。 そこで本研究ではMRONJの根本的治療を目的として亜鉛イオンを応用することで、新たなMRONJ治療を構築する事を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はin vitro MRONJ骨モデルおよび歯肉モデルの作製および解析を行った。in vitro MRONJ骨モデル、歯肉モデルともに48時間の継続的な圧縮負荷を加えるとともにビスフォスフォネート(BP;ゾレドロン酸)の添加を行った。MTTアッセイによる細胞生存率の検索の結果、10μM以上のBP添加により細胞生存率が著明に低下することが確認された。以上の結果を踏まえ、現在10μM以下のBP添加および圧縮負荷添加が骨芽細胞および歯肉線維芽細胞の分化マーカー発現のmRNA発現、タンパク発現を測定している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro MRONJ骨・歯肉モデルに対する亜鉛イオン投与により、骨芽細胞分化の回復と口腔粘膜上皮におけるターンオーバーの回復が確認されるか評価する。測定項目は細胞生存率、各種分化マーカー発現ならびにタンパク発現などを予定している。
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Causes of Carryover |
実験機材の変更などにより、次年度使用額が生じた。当初の実験予定に大きな変更はなく、本年度分の助成金と合わせて使用予定である。
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