2018 Fiscal Year Research-status Report
高転移性高浸潤性口腔癌の微小環境での腫瘍免疫調節機構の解明
Project/Area Number |
18K17221
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平井 真理子 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40802830)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔癌 / PD-L1 / MMP |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの報告でOSC-20細胞が低浸潤性で上皮系細胞の性質をもつことが明らかになっている。この細胞培養液にTGF-βを添加し、EMTにより4D型高浸潤口腔癌細胞へ誘導する。同様に、ヒト正常歯肉線維芽細胞(HGF細胞)を EMTの誘導により、癌関連線維芽細胞へ移行させる。現在までMMPはヒトで23種類同定されており、これらの培養細胞でのMMP発現を解析し、EMTの誘導で発現低下するMMPを同定した。さらに、遺伝子導入効率の高いHEK293細胞に、これらのMMPとPD-L1のタンパク発現ベクターを共導入し、それぞれのタンパクを恒常的に発現する安定発現細胞株を作製した。つぎに、MMPとPD-L1を安定発現するHEK293細胞の培養上清中に含まれる、細胞膜から切断されて遊離したPD-L1を、Western blot法にて調べた。空ベクターを導入したHEK293細胞と比較し、PD-L1の遊離が亢進しているMMP安定発現株を調べ、PD-L1切断活性をもつMMPを特定した。さらに、PD-L1のMMPによる切断活性の検討を行った。膜結合部位を欠失し、C末端に6xHisタグを付加した分泌型PD-L1の発現ベクターを作製した。HEK293細胞にこのPD-L1発現ベクターを導入し安定発現株を作製した。分泌されたPD-L1はHisタグカラムで精製した。精製したPD-L1をリコンビナントMMPとインキュベートし、切断断片をSDS-PAGEで解析し、PD-L1に分解活性をもつMMPを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大幅な遅延なく進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
膜結合部位を欠失し、C末端に6xHisタグを付加した分泌型PD-L1の発現ベクターを作製する。HEK293細胞にこのPD-L1発現ベクターを導入し安定発現株を作製する。分泌されたPD-L1はHisタグカラムで精製する。精製したPD-L1をリコンビナントMMPとインキュベートし、切断断片をSDS-PAGEで解析し、PD-L1に分解活性をもつMMPを同定する。さらに、数種類の培養口腔癌細胞に既存の抗がん剤を添加し、同定したMMPの発現を上昇させる抗がん剤を同定する。さらに、これらの抗がん剤を添加した際、PD-L1の分解が亢進するかを検討する。
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Research Products
(1 results)