2020 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺の損傷-再生過程を制御する因子の解明と治療への応用
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18K17223
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 瞳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(RPD) (70754810)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に再生医療を実現するためには発生生物学の研究とともに再生生物学を発展させることが重要であるといわれている。唾液腺は唾液を分泌するだけでなく、免疫上重要な臓器として様々な可能性を持った臓器であるということが知られている。近年の再生医療の躍進は目覚ましいものがあるが、唾液腺の分野での再生医療は未だ困難であり、口腔乾燥症に対する治療法は対症療法が主流となっている現状がある。そこで本研究は唾液腺が分枝形態形成を行うという視点から唾液腺損傷-再生過程を解析し、臓器再生に応用し治療に生かすための研究基盤を確立することが目的である。まずは唾液腺損傷モデルマウスを作製し、成体内での組織損傷後における細胞運命および分枝形態形成におけるシグナル解析を行う。唾液腺損傷モデルとしては唾液腺のうち耳下腺と顎下腺を結紮した損傷モデルを用いる。また発展形としては唾液腺の放射線照射を行ったモデルも用いる。さらに組織工学的な手法を用いて生体外で分枝形態形成による組織再生過程を明らかにすることで、臓器再生を試みる。さらには唾液腺と同じように分枝形態形成を行う肺や腎臓などの唾液腺以外の全身臓器にも応用し、唾液腺だけでなく全身臓器への再生医療につなげたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響もあり、一部研究計画が遂行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
再生過程をより詳細に解析するために、胎仔唾液腺と損傷唾液腺を用いて、唾液腺の発生過程が再生過程を同一であるのかもしくは違いがあるのかという点に着目し検討を行った。損傷唾液腺としては導管結紮モデルマウスを作製し、発生過程である胎仔唾液腺との比較検討を行う。腺房、導管、筋上皮、神経それぞれのマーカー(それぞれ、Aaquaporin5、 Cytokeratin7(CK7)、α-Smooth muscle actin、Tubulin beta 3)を用いて時系列に沿って免疫組織染色を行った。さらに組織再生と組織発生における細胞増殖の違いがあるかどうかをki67マーカー染色し、腺房、導管、間葉それぞれの組織毎の増減を計測し解析を行った。以上に関して研究成果を権威ある学術誌に投稿し学会発表も行うことを今後の予定にしている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により一部研究計画が遂行できなかったため次年度使用額が生じた。 使用計画としては、次年度、唾液腺発生過程における組織学的解析の検討に必要な物品費や研究成果をまとめ発表を行うための費用等に充当する。
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