2018 Fiscal Year Research-status Report
人工味細胞を用いた味覚障害に対する漢方薬の作用機序の解明および治療応用
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18K17228
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
森 啓輔 佐賀大学, 医学部, 助教 (60774114)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工味細胞 / うま味受容体 / 甘味受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度予定していた人工味細胞の樹立に関しては、予定とおり味覚受容体(うま味受容体・甘味受容体)を発現させるために必要なT1R1、T1R2、T1R3および味覚応答の変化を確認するために必要なTRPM5のDNA断片を作製し、PCRベクターとライゲーションさせた。ライゲーションさせたものに大腸菌を用い、形質転換させ、増殖した後にプラスミドプレップし、プラスミドDNAを精製作製した。作製したプラスミドDNAを以下の組み合わせ(うま味受容体:T1R1/T1R3+TRPM5または甘味受容体:T1R2/T1R3+TRPM5)と共にGFP(緑色蛍光タンパク質)を継代10代目までのHEK293細胞に遺伝子導入し、人工味細胞を作製した。受容体の発現効率に関しては、種々の濃度で検討したが、計画とおりの各遺伝子あたり0.5μgが最適であった。 これまでの結果より、効率的に発現させることが可能になったため、引きつづき漢方薬作用下での味覚応答の変化(細胞内Ca2+濃度の変化に与える影響、味覚応答の下流にあるTRPM5の活性化に与える影響)を検討していく。 本年度では作用させる漢方薬に関しては柴朴湯、香蘇散、六君子湯を予定としているが、味覚応答を観察し変化を認めなかった場合には半夏瀉心湯、半夏厚朴湯、十全大補湯などの漢方薬も用いて、味覚応答の変化を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室の機器故障に伴い、チャネル発現の検証が遅れているため、本年度に速やかに確認し、続いて予定していた漢方薬作用下での味覚応答の変化を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は作製した人工味細胞に対して漢方薬を作用させ、その味覚応答の変化を検討する。但し、パッチクランプ法を行うにあたり必要な、機器が故障しており、修理費用が高額であるため、味覚応答の変化の検証は予定していたパッチクランプ法を除く、リアルタイムPCR法、ウエスタンブロッティング法にて遺伝子レベル、タンパクレベルで検証する予定である
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Causes of Carryover |
研究室内のディープフリーザーなどの故障などがあり、予定していた実験が遅れているため、物品購入も予定より少なくなりました。それに伴い次年度使用額が生じました。本年度は遅延した分も含め、物品購入、実験を遂行します
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