2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of factors related to diversity of invasive form of ameloblastoma using animal transplantation model
Project/Area Number |
18K17230
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
渕上 貴央 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (40772439)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エナメル上皮腫 / 歯原性腫瘍 / 動物実験モデル / 三次元培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
エナメル上皮腫は代表的な歯原性良性腫瘍であり、良性であるものの周囲組織への高い浸潤能を有する。本腫瘍は異なる浸潤発育様式を示すいくつかの組織型に分類され、それぞれ特徴的な病理組織像を示す。しかし、本腫瘍の各組織型の細胞特性や浸潤発育様式の多様性をもたらす要因については明らかとされておらず、治療は経験的に行われているに過ぎない。本研究では、エナメル上皮腫の浸潤発育に関わる因子について、独自に構築した三次元培養実験系と動物実験系を用いて解明し、同因子を標的とした分子標的療法などの新規治療法の実現の一助となる知見を得ることを目的とした。異なる組織型のヒトエナメル上皮腫不死化細胞株であるAM-1(叢状型由来)、AM-3(濾胞型由来)を免疫不全マウスへマトリゲルとともに移植し、エナメル上皮腫の安定した動物実験モデルを作成した。その結果、全ての個体において腫瘍細胞の生着を認めた。また、AM-1、AM-3移植群はそれぞれ異なる組織像を示し、AM-1移植群は叢状型、AM-3移植群は濾胞型に似た組織像を示した。さらに、AM-1移植群では移植病変内に嚢胞形成を認めた。本実験モデルは、異なる組織型のエナメル上皮腫の特性を生体内で比較検討することが可能であり、本腫瘍の特異な病態を解明する糸口となり得ると考える。これにより、今まで困難であった実際の病変に近い環境でのエナメル上皮腫の動態評価が可能となり、病態の異なる様々なタイプのエナメル上皮腫に対する戦略的な治療法の実現に向けた実験を進めることが可能となった。
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