2018 Fiscal Year Research-status Report
下顎骨側方偏位の発現および改善に顎関節潤滑能が与える新規メカニズムの解明
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18K17245
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 侑平 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (50778511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 顎関節 / 潤滑機能 / ルブリシン / Ihh / TGF-β / 下顎骨側方偏位 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長期に発現する片側性臼歯部交叉咬合は、下顎骨側方偏位、すなわち顔面非対称を誘発し、機能面において顎顔面領域の正常な成長発育を阻害することが報告されている。近年われわれは、成長期ラットにおける顎関節機能障害モデルを作成し、顎関節潤滑機能に与える影響をルブリシンに着目して世界に先駆けて解明した。しかし、成長期の片側性臼歯部交叉咬合に起因する下顎骨側方偏位の誘発および回復の機序は未だ解明されていない。そこで本研究課題の具体的な目的は「成長期の片側性臼歯部交叉咬合の発現および改善がIndian hedgehog (Ihh)およびTransforming growth factor (TGF-β)を介して、顎関節潤滑機能に関与するルブリシンの産生能変調を生じること、を示すことにより、下顎骨側方偏位の誘発および回復の原因となる新たな経路を形態学的・組織生化学的に解明する」ことである。5週齢のWistar系雄性ラットを対照群(n=18)、偏位群(n=16)、回復群(n=9)として実験を進め、トルイジンブルー染色による顎関節の形態学的評価、抗ルブリシン抗体、抗Ihh抗体および抗TGF-β抗体を用いた免疫組織化学染色評価およびReal-time PCR法を用いて各抗体のmRNA量の生化学的評価を行った。今年度はMicro-CTを用いた形態学的評価は、パラメータの再検討および実験機器の問題から行うことができず、次年度以降の実験内容を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はMicro-CTを用いた形態学的評価は、パラメータの再検討および実験機器の問題から行うことができなかったが、次年度以降の実験内容であるトルイジンブルー染色による顎関節の形態学的評価、抗ルブリシン抗体、抗Ihh抗体および抗TGF-β抗体を用いた免疫組織化学染色評価およびReal-time PCR法を用いて各抗体のmRNA量の生化学的評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は各群のラット数を研究計画まで増やすこと、また免疫染色およびReal-time PCR法の精度を上げ、より精度の高い実験を行う予定である。また進行具合に応じて論文作成を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入予定であったMicro-CT撮影用Phantomの購入をしなかったため、次年度以降形態学的解析を進める際に新たに必要な設備、備品へ充てる計画とした。
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Research Products
(2 results)