2019 Fiscal Year Annual Research Report
Genotype and craniofacial phenotype correlation in GLUT-1 DS patients
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18K17255
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 知里 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50754727)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子疾患 / 咬合異常 / トランスポーター異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルコーストランスポーター1型欠損症 (Glut-1欠損症)はSLC2A1遺伝子の変異により脳内へのグルコースの取り込みが減少する代謝性脳症である。1991年に報告されてから、これまで国内での報告数は70例弱であり、非常にまれな疾患である。当矯正科には、本疾患を有する患者が多数受診しており、特異的な顔貌と不正咬合を呈したことから、本疾患と咬合異常とに何らかの因果関係が疑われた。実際、近年本疾患と診断された中年の患者では、上顎前突と著しい過蓋咬合を呈しており、外傷による欠損や歯周病に伴う咬合崩壊などQOLに影響しうる状況が見られた。よって、本研究では、SLC2A1遺伝子の変異が頭蓋顔面部の成長発育に与える影響を解明し、本疾患における咬合異常の発生機序を明らかにすることで、顎顔面の成長発育に寄与する因子や既知の遺伝子を繋ぐ新規シグナル経路の解明を目指した。 当科を受診したGlut-1欠損症患者 9名について顎顔面部の形態異常、咬合異常について詳細に分析し、ヒトにおける解剖学的、矯正学的特徴を解析した。その結果、頭位の小さい患者が多かったものの、その多くが矯正治療の分析項目である前頭蓋底の前後径が標準範囲内であった。また、多くの患者に小下顎の傾向、上顔面高に対し下顔面高が短いショートフェイス傾向が見られ、上顎前突および過蓋咬合への関連が疑われたが、疾患と咬合異常の直接的な因果関係は不明であった。上記の結果を国際学術雑誌へ投稿し、受理された。
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Research Products
(7 results)