2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17258
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沖田 紗季 広島大学, 医系科学研究科(歯), 研究員 (20806674)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨芽細胞の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,新生仔マウス頭蓋冠細胞より目的とするCd34+,Cd34- の成熟骨芽細胞をFACSを用いて単離することに注力したが培養等に必要とする十分量の細胞を単離することが困難であった。2019年度はより生存率の高いDACSを使用し再度,目的細胞の単離を試みたものの十分量の細胞を得られなかった。また,生体内でのCD34+成熟骨芽細胞の成熟骨芽細胞の分布を確認するため7日齢のマウス頭頂骨および大腿骨を用いて免疫染色を行なった。結果,大腿骨ではCD34+成熟骨芽細胞は認められなかったものの,頭頂骨ではわずかではあるが,骨表層のCD34-成熟骨芽細胞間に散在的にCD34+成熟骨芽細胞が分布していることが確認された。 他にも,これまでマウス成熟骨芽細胞の遺伝子発現プロファイルを単一細胞レベルで解析を進めていたが,サンプル数を追加し様々な手法で解析を進めた。これまでの実験結果と同様にマウス成熟骨芽細胞は大きくはCD34+とCD34-の2つのクラスターに分けられ,CD34-の細胞をさらに細かくクラスタリングすると4つのクラスターに分けられた。CD34-の4つのクラスターは擬似時間軸をとると2つの系列に分けられた。GO解析の結果,一方の系列ではアポトーシスや細胞間コミュニケーションと関連するGOターム,他方の系列では骨芽細胞分化や細胞接着に関するGOタームに変動を認めた。 現在この5つのクラスターおよび2つの系列に特徴的な遺伝子についてさらに探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスより目的の細胞を実験に十分な量を単離することが困難なため,細胞培養や動物実験への着手ができていない。現在は,より効率的に細胞をサンプリングする手法を模索するとともにバイオインフォマティックス解析に注力している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の生存率が高いと言われるMACSを使用して目的細胞の単離および培養を試みる。また,各クラスター,系列に特異的に発現する遺伝子を同定し免疫染色にて生態内での各クラスターの分布についても分析していく。
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Causes of Carryover |
実験が計画通り進まず,当初予定していた動物実験に着手できていないため次年度使用額が生じた。今後はマウスより目的の細胞を単離,培養する方法を確立し移植等の動物実験に移行できるよう方策を立てる。
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