2018 Fiscal Year Research-status Report
p21細胞周期チェックポイントを標的とした口蓋粘膜創傷治癒機構の解明
Project/Area Number |
18K17260
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 浩喜 徳島大学, 病院, 医員 (90779985)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | TMJ / TMJ-OA |
Outline of Annual Research Achievements |
p21ノックアウトマウス、WTマウスへbite plateを装着し、10日後にサクリファイスを行い各種測定を行った。ヘマトキシリンエオジン染色像、マイクロCT像から、WTマウスのTMJと比較して、p21ノックアウトマウスTMJは軟骨下骨の破壊の亢進を認めた。また、トルイジンブルー染色、サフラニン-O染色において軟骨領域を染色し、面積を測定したところ、プロテオグリカン層の領域が、WTマウスTMJに比べp21ノックアウトマウスTMJでは有意に狭くなっていた。免疫組織学解析においては、MMP-9及び、MMP13について検索した。その結果、WTマウスTMJに比較して、p21ノックアウトTMJでは両抗体に対する陽性細胞の発現数が有意に増加していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス口蓋粘膜の創傷治癒・瘢痕形成の動物モデルの作成がよく進んでいない。上顎の口蓋骨が薄く、力を入れると、骨を破壊するまでなってしまうため。一定の大きさの創傷を口蓋に形成することは慣れてきているので、骨を破壊しないように創傷を作成するために習熟がもう少しかかるかと思われる。創傷を作成後は、切片作製までに多少時間が必要なものの、組織学的解析についての実験手技は慣れてきているため、結果を出し、まとめていきたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
創傷治癒過程 に応じた口蓋組織中のマクロファージの分化解析 (M1/M2比):マクロファージの分化マーカーについてフローサイトメーター にて発現パターンの解析を行う。口蓋粘膜組織のマクロファージ解析に必要な分化マーカーを決定後、創傷治癒の進展に応じた 口蓋組織中のマクロファージの数や分化状態(M1/M2比)を検討する。 p21を介した創傷治癒過程におけるマクロファージの局 在と増殖の確認(組織免疫染色):口蓋組織を分散後、血球細胞にゲートをかけてF4/80、CD11b等で展開することによりマクロ ファージの数や M1/M2比を求めることができるが、さらに創傷治癒組織にどのように存在するかを知る必要がある。そこで口蓋 組織中の凍結切片やパラフィン切片を用い、蛍光免疫染色によるM1、M2マクロファージ等の創傷治癒過程における口蓋粘膜組織 中での局在を確認することによって、病態マクロファージの機能を推測することができると考えている。また、創傷治癒過程に おいて集積しているマクロファージについて口蓋粘膜組織中での増殖の有無に対して、Ki-67等を利用して確認する。
|
Causes of Carryover |
抗体が予想より少額で購入できたため。この金額については、次年度分の物品購入費に充てる予定である。
|
Research Products
(2 results)