2018 Fiscal Year Research-status Report
骨細胞を介した交感神経系による歯の移動メカニズムの解明
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18K17272
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 琢麻 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80609868)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 交感神経 / 骨代謝 / β-遮断薬 / 骨細胞 / 骨吸収 / 歯の移動 / 骨量 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の実験計画に従って、骨細胞様細胞(MLO-Y4)を培養し、β-アドレナリン受容体(β-AR)の発現の確認を行った結果、MLO-Y4細胞にβ1-ARおよびβ2-ARが発現していることが確認された。 また、交感神経の活動が亢進している高血圧自然発症ラット(SHR)に非選択的β-遮断薬(プロプラノロール)、β1-遮断薬(アテノロール)、β2-遮断薬(ブトキサミン)を経口投与し、上顎門歯と上顎右側臼歯の間にコイルスプリングを装着し、4週間、上顎右側臼歯の牽引を行った。その後、それぞれの歯の移動量、上顎歯槽骨量、破骨細胞数および破骨細胞活性の評価、骨細胞のSOSTおよびRANKL産生量の評価を行った。 アテノロール、ブトキサミン、プロプラノロールは、歯の移動を抑制し、歯槽骨量を増加させた。また、アテノロール、ブトキサミン、プロプラノロールは、圧迫側の破骨細胞数および破骨細胞面を減少させ、骨細胞から産生されるSOSTおよびRANKLを減少させた。さらに、免疫組織学的分析より、骨細胞にはβ1-ARおよびβ2-ARが発現しており、骨芽細胞にはβ2-ARのみが発現していることが確認された。 以上の結果より、SHRにおける歯の移動実験において、β-AR遮断薬は歯の移動距離を減少させ、歯槽骨量の減少を予防すること、また、β-AR遮断薬は骨細胞から産生されるSOSTとRANKLを減らすという新しい経路によって歯槽骨代謝を調整する可能性が示された。 この内容をまとめ、The Korean Association of Orthodontists The 51st Annual Scientific Congressにて学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験を行い、以下の結果を得ることができた。 交感神経の活動が亢進している高血圧自然発症ラット(SHR)に非選択的β-遮断薬(プロプラノロール)、β1-遮断薬(アテノロール)、β2-遮断薬(ブトキサミン)を経口投与し、上顎門歯と上顎右側臼歯の間にコイルスプリングを装着し、4週間、上顎右側臼歯の牽引を行った。その結果、アテノロール、ブトキサミン、プロプラノロールは、歯の移動を抑制し、歯槽骨量を増加させること、圧迫側の破骨細胞数および破骨細胞面を減少させること、骨細胞から産生されるSOSTおよびRANKLを減少させることが示された。さらに、骨細胞にはβ1-ARおよびβ2-ARが発現しており、骨芽細胞にはβ2-ARのみが発現していることが確認された。 β-AR遮断薬は歯の移動距離を減少させ、歯槽骨量の減少を予防すること、また、β-AR遮断薬は骨細胞から産生されるSOSTとRANKLを減らすという新しい経路によって歯槽骨代謝を調整する可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により、骨細胞にはβ1-ARおよびβ2-ARが発現しており、骨芽細胞にはβ2-ARのみが発現していることが示された。また、β-AR遮断薬は歯の移動距離を減少させ、歯槽骨量の減少を予防すること、また、β-AR遮断薬は骨細胞から産生されるSOSTとRANKLを減らすという新しい経路によって歯槽骨代謝を調整する可能性が示された。今後はこの研究内容をまとめ、論文投稿を行う予定である。 また、歯周病に対するβ-遮断薬の効果、α-遮断薬、作動薬の効果についても検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)