2018 Fiscal Year Research-status Report
脱落しにくくアレルギーの少ないジルコニア製歯科矯正用アンカースクリューの開発
Project/Area Number |
18K17273
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
川口 美須津 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40532643)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯科矯正用アンカースクリュー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年エッジワイズ装置による治療に絶対的固定源として歯科矯正用アンカースクリューが用いられるようになっている。アンカースクリューを植立する部位としていくつか用いられているが、その中でも口蓋正中縫合部が注目されている。上顎骨は形態学的特徴から神経・血管・歯根といった解剖学的構造を持っていないため、アンカースクリュー植立に最も適した部位であると考えられる。そこで、口蓋領域のなかでも正中縫合部周囲の厚さを調べることによって、植立にもっとも適した部位を選定する。また、アンカースクリューの安定性となる要素を検討し、最適なアンカースクリューの形態や厚さ、材質を調べることによって安定性、形状の指標となるよう骨形態の計測を行った。 女性45人を対象とし、術前にアンカースクリューの植立方向を確認するためステントを装着して1mm厚で撮影した歯科用CT画像を用いて行った。 口蓋隆起の形状については、Kolasらの方法に従い、上顎模型の口蓋正中部に存在する隆起のうち、周囲との境界が明瞭で、豊隆が視診にて明らかに判断できるものを口蓋隆起ありと判断した。患者は口蓋隆起が認められない患者(TP-absent) (n=21)、口蓋隆起が認められた患者(TP-present)(n=24)の2群に分類した。骨の厚さの測定は、正中口蓋縫合に沿って1mm間隔で計測を行った。矢状面画像より、口蓋骨の厚さを5㎜間隔で測定し、0-4mm(G1), 5-10mm(G2), 11-15mm(G3), 16-20mm(G4)の4群に分けて計測を行った。 その結果、TP-present群はTP-absent群よりも全区間において有意に厚く、TP-absent群の最も厚い領域はG2であった。TP-present群においてはG1,G4よりもG2,G3のほうが厚かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに行っていた口蓋骨の厚さについて、それぞれの群に分け、計測を行うことができた。。また、計測を行った骨の厚さについての評価も、順調に評価を行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計測を行った結果をさらに集計を進め、最も植立に適した部位を選定すること。また、植立に適した形状の検討を行うため、組織学的検索については病理組織学的検討を行い、それらをまとめ学会発表を行うこと、また論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、計測・集計に必要な物品のうち購入がが年度末になったものについては、次年度に支払いとなったことがあげられる。また今後の使用計画のうち消耗品については、実験用動物ならびに飼育費・実験用試薬・器具の購入が必要となる。また、組織標本の作製も必要と考えられるため、その費用も計上している。
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Research Products
(1 results)