2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17280
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
泉井 秀介 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (00806052)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔細菌 / ペプチド / PDT |
Outline of Annual Research Achievements |
クルクミンと共に用いるペプチドのスクリーニングを行った。本年度は5アミノレブリン酸(5ALA)を中心に扱った。5ALAはがんの診断や治療において使用されているが、その応用範囲は急速に広がっており、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌的PDTの報告(Morimoto et al., PLoS One, 2014)などがある。しかしながら口腔内細菌を扱ったものはなく、口腔内細菌への効果は不明である。そこで、本研究ではPorphyromonas gingivalis (P. gingivalis)に対する5ALAを用いたPDTの効果を明らかにした。 ①24穴プレートのP. gingivalis OMZ314株(E8CFU/mL)に5ALAを加え2時間静置した後、波長410nmのLED光(18mW/cm2)を1分間照射した。菌数の測定は血液寒天培地を用いたコロニーカウントとリアルタイムPCRを用いた。その結果は、5ALAを用いたPDTは濃度依存的にプランクトニックな状態のP. gingivalisを減少させたことが分かった。②24穴プレートにヒト唾液をコーティングし、P. gingivalis OMZ314株(108CFU/mL)を嫌気条件下で8時間培養した。バイオフィルムに5ALAを加え2時間静置した後、波長410nmのLED光(18mW/cm2)を1分間照射した。バイオフィルム測定はクリスタルバイオレット染色法を用いた。その結果は、5ALAを用いたPDTは濃度依存的にP. gingivalisのバイオフィルムを減少させた。①②の結果より、5ALAを用いたPDTは口腔内細菌に対して殺菌効果を示し、口腔内PDTに応用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クルクミンと共に作用させるペプチドの候補として5アミノレブリン酸(5ALA)を利用したところ、その殺菌効果を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
クルクミンと共に使用するペプチドの候補のスクリーニングを行うと同時に、5ALAのう蝕誘発生菌に対する効果を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
ペプチド作成に時間かかかり、来年度の予算で執行することになったため。
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