2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a method for controlling autonomic nervous activity by hearing-Study and clinical application in clock gene-deficient mice-
Project/Area Number |
18K17287
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山下 薫 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (50762613)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自律神経系 / 心拍変動 / 聴覚 / 音楽 / 歯科 / 心理 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科治療は、聴覚ストレス・痛み・不安・緊張による自律神経活動の変動から全身偶発症を引き起こす可能性のある医療行為であり、超高齢社会やストレス社会を背景に、自律神経が失調している患者の治療を行う場面が増加している。我々は、音楽聴取を併用した歯科治療中の自律神経活動の変動を解析し、自律神経活動を制御することが可能となれば、安全な歯科治療環境を構築できるのではないかと考え、2018年度に下顎埋伏智歯抜歯中の音楽聴取の有用性を国際誌に報告した。2019年度に確立した自律神経活動の評価方法(the model of Yamashita)を用いて、2020年度は、下顎埋伏智歯抜歯時の自律神経活動、循環動態、および心理状態に対する静脈内鎮静法の影響について比較検討を行い、以下の結果が国際誌に報告された。 1.対照群の交感神経活動(LF/HF)は、安静時と比較して全ての処置においてが有意に増加した。また、鎮静群では対照群と比較して、全ての処置においてLF/HFが有意に低下した。2.対照群の収縮期血圧は、安静時と比較して全ての処置において有意に高かった。また、鎮静群では対照群と比較して、切開・剥離、骨削合、歯冠分割において有意に低下した。3.鎮静群では対照群と比較して、治療前後におけるSTAI状態不安のスコアの減少度が大きかった。4.静脈内鎮静法は交感神経活動の増加を抑制し、血圧を安定させ、不安を軽減させることで、全身的偶発症を予防できる可能性があることを見出した。 現在、静脈内鎮静中の音楽聴取が自律神経系と循環動態に与える影響について解析を進めており、国際誌に投稿する予定である。また自律神経失調症評価のための質問紙と心拍変動解析の結果の関連性に関しても解析を進めている。動物実験に関しては、実験系の確立に着手するところまでは行えたが、音楽聴取をさせる実験まで進めることはできなかった。
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Research Products
(5 results)