2018 Fiscal Year Annual Research Report
根面う蝕細菌種相互作用の解明に基づく高齢者口腔健康増進法の開発
Project/Area Number |
18K17288
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小幡 純子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (70759448)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | P. acidifaicens / Propionibacterium属 / 根面う蝕 / 象牙質う蝕 / う蝕細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、根面う蝕の病因論の着目し、主たる象牙質う蝕細菌であるLactobacillus 属とPropionibacterium acidifaciens の相互作用を解明し、その機序に基づいたう蝕予防法の開発を行うことを目的とした。平成30年度は、P. acidifaciens のう蝕原性の解明の継続となったので、その内容を報告する。 これまで、P. acidifaciens のう蝕原性として、以下のことを報告した。 1. 唾液による菌体凝集は生じない。2. 他の口腔常在細菌と共凝集しない。3. ハイドロキシアパタイトへの付着は認められない。4. コラーゲンへの強い結合が認められる。5. 他の口腔常在細菌に生育を阻害される。この要因として過酸化水素が考えられるが、過酸化水素非産生菌に関してはさらなる検討が必要。6.酸(P. acidifaciens 及びStreptococcus mutans が産生する主な4種類)により、ある程度の濃度以上では生育が阻害される。酸の種類により、その酸の影響に差がある。 平成30年度は、さらに、トランスウェルシステムを用いたdual-species assay によりP. acidifaciens のバイオフィルム形成に及ぼす影響を検討し、P. acidifaciens のバイオフィルム形成に関して以下のことを明らかとした。 7. S. mutans により阻害される。8. 象牙質に含まれるⅠ型コラーゲンにより促進される。 これらのP. acidifaciens のう蝕原性に関してまとめ、論文を作成し、投稿中である。Lactobacillus 属とPropionibacterium acidifaciens の相互作用の解明を目的とした本研究であったが、研究代表者の所属研究機関退職に伴う資格消失により、本研究費助成事業中断となった。
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Research Products
(1 results)