2020 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical and molecular biological research to establish prophylaxis of medication-related osteonecrosis of the jaw
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18K17291
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
船原 まどか 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60796811)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 顎骨壊死 / 骨吸収抑制薬 / ビスフォスフォネート製剤 / リスク因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)骨吸収抑制薬投与患者の後ろ向き研究 多施設共同後ろ向き研究において、本年度は抜歯例と非抜歯例の背景因子をpropensity score matching法によりマッチングさせた上で抜歯の有無別のMRONJ発症率をKaplan-Meier法で検討を行った。その結果、抜歯を施行した症例の方が有意にMRONJ発症率は低下することが明らかとなった。 2)骨吸収抑制薬投与患者の摘出骨の検索 高用量BMA投与患者においてMRONJを発症しないような抜歯手技の確立を目指して前向き介入試験を行った。抜歯窩にアテロコラーゲンを挿入した群と、ミノサイクリンを浸漬されたアテロコラーゲンを挿入した群にランダムに割り付け、その後のMRONJ発症率を、以前にわれわれのグループで行った高用量BMA投与患者における抜歯163例の結果をhistorical controlとして比較検討した。本前向き介入試験はまだ継続中であり、結果は得られていないが、継続して検討を進めていきたい。 【研究成果の学術的意義や社会的意義】 高用量BMAが投与されているがん患者は年々増加傾向にあり、それにつれてMRONJ発症例も増加している。MRONJは難治性で患者のQOLを著しく低下させる。これまで抜歯を避ける、抜歯を行う場合はBMAを休薬するなどの対策が一般に取られてきたが、それにもかかわらずNRONJ発症例は増加しており、有効な予防策の確立が望まれている。今回得られた結果はMRONJの発症予防法を確立するための基礎データとして大いに役立つものであり、近い将来MRONJの発症を抑制することにつながるものとして学術的にも社会的にも意義は大きいものと考えられる。
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