2018 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌由来内毒素による自己免疫性ぶどう膜炎発症メカニズムの解明
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18K17293
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (00709248)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ぶどう膜炎 / ベーチェット病 / 歯周病原細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病原細菌が歯周炎の進行のみならず、全身の免疫機能にも影響し、炎症性や自己免疫疾患の発症にもかかわることも示されてきている。一方、眼や脳といった免疫特権部位は、血液-組織関門によって組織抗原が免疫系から隔離されているにもかかわらず、自己免疫の標的になりうることが知られている。自己免疫性ぶどう膜炎は、ベーチェット病、サルコイドーシスおよびVogt-小柳-原田病などの眼内に炎症を引き起こす原因不明の疾患の総称で、失明に至ることもある。これまでに歯周病原細菌と自己免疫性ぶどう膜炎の関連性について十分な知見があるとはいえない。本研究では、歯周病原細菌の内毒素(LPS)によるぶどう膜炎の発症および進行のメカニズムを明らかにする。そのメカニズムが明らかとなれば、高リスク群を対象に適切な口腔保健管理を行うことができる。 近年、歯周炎の進行によって肺炎、心疾患、糖尿病、高血圧など種々の基礎疾患が増悪することが報告されている(図3、de Melo Neto JP et al. 2013; Flores MF et al. 2013; Pralhad S et al. 2013)。口腔細菌による基礎疾病の増悪についての報告がある一方で、ベーチェット病などのぶどう膜炎との関連性に十分な知見があるとはいえない。今後、ベーチェット病における外因としての口腔細菌の具体的な関与について解明する必要がある。メカニズムの解明は治療のみならず、ベーチェット病の進行の予防につながる可能性がある。 本年度は、歯周病原細菌由来内毒素(LPS)による自己免疫性ぶどう膜炎発症メカニズムの解明するため、C57BL/6Jマウスを用いて、P. gingivalisのLPSによるぶどう膜への影響について解析を行った。1ヶ月間マウスに3日に1回ずつ腹腔内にP. gingivalis(ATCC33277由来)のLPSを投与し、1ヶ月後に眼球を摘出してH&E染色およびRNAの抽出を行った。H&E染色結果から角膜上皮厚などの所見は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抽出したRNAを用いて次世代シーケンサーによる網羅的解析を行う予定であったが、現在、解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーによる解析が終了後、パスウェー解析も行う。その後、LPS投与にて大きく変化のあった眼球の炎症に関わる遺伝子に対して、免疫染色を行う。
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