2018 Fiscal Year Research-status Report
嚥下タイミングの可視化が食事介助に与える影響について
Project/Area Number |
18K17295
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊原 良明 昭和大学, 歯学部, 助教 (00634833)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 食事介助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は食事介助時において嚥下タイミング(嚥下反射のタイミング)を可視化することにより適切なペーシングで食事介助を行うことを可能とし、その結果として介護老人保健施設や介護老人福祉施設の入居者やデイサービス受給者の誤嚥や窒息事故を予防し、同時に介護職員の食時事の介護負担の軽減を獲得することである。 方法として頸部聴診音を基にした嚥下情報の提示及び、安静時嚥下回数の記録には筑波大学人工知能研究室が開発した頸部装着型嚥下機能計測機器GOKURIを使用する。本装置は対象者の頸部に装着することで嚥下音及び、ムセを解析し内蔵されたLSDにより嚥下(緑)、ムセ(赤)の光で表示し、モニター上で波形の確認が可能である。本研究の実施に際し、本学倫理委員会からの承認を得るために、現在申請を行っている。また、研究の開始にあたり解決すべき点としてGOKURIを用いてどの様な食形態まで適応とすることができるかという点が考えられた。そのため予備実験として申請者らが行う嚥下造影検査の際にGOKURIを装着し、ペースト食(ミキサー食)、ソフト食、キザミ食、常食の各検査試料を用いた際にGOKURIが咀嚼運動などによるノイズに反応するのかという点を調査している。現在まで得られた結果では常食およびキザミ食など咀嚼を必要とする場合にはGOKURIが一部ノイズを拾ってしまうという事が明らかとなった。 そのため、本研究の実施に対し対象は先ずはペースト食の人を対象として行う。現在まで学会発表などは行っていないが、本年度に得られた知見を基に、次年度ではデータの収集を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において対象者の食形態については検討を行っていなかったが、予備実験にて本研究にて使用する頸部装着型嚥下機能計測機器GOKURIにて一部の対象者において咀嚼運動時のノイズを嚥下運動であると誤認してしまうケースが認められた。その為、本来予定していなかった対象者の食形態を限定する必要が生じたため本来の予定と比べやや遅れた状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
食形態の選定に関し、予備実験として申請者が行った嚥下造影検査(VF)時に患者に頸部装着型嚥下機能計測機器GOKURIを装着して検査を行ったところ、水分およびミキサー食では咀嚼運動によるノイズは確認されなかった。 本研究では確実な嚥下情報の可視化による提示を行う必要があり対象者をミキサー食のものと限定することで上記の問題点の可決策となりうると考えられる。
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Causes of Carryover |
差額が生じた要因として、当初予定していた頸部装着型嚥下機能計測機器GOKURIの金額が低下より安くなった点および、購入台数を現在予定台数より少ない台数としている点が挙げられる。現在予備実験を行っている段階であり、今後データ採取の開始にあたり追加購入を行う予定である。
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