2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of bacteria flora in denture plaque by MPC polymer
Project/Area Number |
18K17297
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
池谷 賢二 昭和大学, 歯学部, 助教 (30783344)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 光感応型MPCポリマー / 次世代シークエンサー / デンチャープラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で光感応型MPCポリマーは基礎的,臨床的にプラークの付着を抑制することが実証されてきた.これは従来耐久性の低かったMPCポリマーをPMMA基板に共有結合により強固に結合させることができたからだと思われる.基礎的研究では代表的なプラーク形成細菌であるS.mutansを用いて基板上でのバイオフィルム形成を抑制することに成功し,さらに義歯洗浄剤に使用される化学物質に対しての耐久性も実証された.これらの結果を用いて,実際に患者が使用する有床義歯で比較したところ,光感応型MPCポリマーのコーティングにより有意にデンチャープラークの付着を抑制することが確認された. 光感応型MPCポリマーはプラークの付着を抑制することを証明したが,プラークをどのように抑制しているのかはわからずにいた.そこで今回次世代シークエンサーを用いることでプラークを構成する細菌叢に着目し,光感応型MPCポリマーがどのようにプラークに影響を与えてプラークの形成や付着を抑制するのかを解析することを試みた. 次世代シークエンサーにより,全部床義歯に付着するデンチャープラークを構成する細菌叢を解析したところ,口腔内細菌叢とは異なる特異的な細菌叢が存在することが証明された.またこの細菌叢はそれぞれの患者の義歯の状態により異なり,その中でも義歯の清掃状況という衛生状態が最も大きく影響していることが判明した.衛生状態は単にプラークの付着量が異なるだけでなく,構成する細菌叢も影響していることがわかった. 光感応型MPCポリマーのコーティングにより,デンチャープラークの形成が抑制されるだけでなく,構成する細菌叢が衛生状態のよい細菌叢に近づいていることがわかった.細菌叢の構成自体を変化させず,幼弱なプラークへ変化させていることから光感応型MPCポリマーには静菌的な抑制効果がある可能性が示唆された.
|