2020 Fiscal Year Research-status Report
COPD患者に特異的な摂食嚥下障害の評価方法の開発
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18K17299
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大平 真理子 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30733555)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食嚥下障害 / COPD |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)は、日本において約530万人の罹患者を有する呼吸器疾患である。COPD患者の78%に摂食嚥下障害が認められたという報告もあるため、摂食嚥下障害を早期に検出し誤嚥予防を図ることが重要である。そのため、COPD患者に対する簡便で確実な摂食嚥下障害のスクリーニング方法の確立が重要となっている。 そこで本研究はCOPD患者における、摂食嚥下障害の重症度と各種スクリーニング検査の相関関係を検討すること、および摂食嚥下障害を総合的に評価できるスクリーニング方法であるThe Mann Assessment of Swallowing Ability (MASA)を用いて、MASAがCOPD患者に適応できることを証明し、嚥下内視鏡検査(VE)の結果をもとに、その診断精度の検討を行うことを目的とした。 昨年度までで得られた結果としては、COPDの患者は自覚症状とMASAの点数の結果に乖離が認められること、準備期や口腔期の影響は少なく、呼吸状態に影響を強く受けることが示唆された。MASAのように誤嚥や咽頭残留の指標だけではなく、呼吸器疾患患者の食事困難さを機能も含めて客観的に評価する方法も必要であるという結果が得られた。また、MASAの結果から、「呼吸」、「声」、「喉頭挙上不良」、「挙上開始遅延」および「咳」のスコアが低くなる傾向を認めた。これは、以前報告されてい る、タイミングのずれや、嚥下反射惹起遅延を認めるということと、同様の結果であると考えられる。 今年度はこの結果を報告書にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者を増やす予定であったが、新型感染症の拡大がとまらず、呼吸器疾患の患者の受診率の低下や、共同研究予定の病院での実施を模索していたが結果的には困難になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現状、これ以上の対象者の確保は困難なため、収集できた結果のなかで、報告書を作成予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表を予定していたが学会が中止となったことや、論文作成費用がまだ未使用のため。
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