2019 Fiscal Year Research-status Report
自立高齢者の唾液中Substance Pの低下に影響する因子の縦断的検討
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18K17304
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
出分 菜々衣 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (40747268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嚥下機能 / Substance P |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住高齢者の口腔機能および嚥下機能が全身の健康にどのような影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的として、愛知県T村介護予防教室に参加する高齢者を対象として調査を行った。調査協力の同意を得た257 名(年齢範囲:61~93 歳、男性87 名:平均年齢75.8±7.5 歳、女性170 名:平均年齢78.3±6.4 歳)に歯科健診と質問紙調査を実施し、口腔と全身の健康状態を把握した。その結果以下の所見がみられた。現在歯数の平均 ± 標準偏差は16.6 ± 9.8 本、0 本の者は、全体の10.5%、1~9 本は19.8%、10~19 本は18.3%、20 本以上は51.4%であった。また、義歯使用者は約6割であった。舌圧の目安は、60 歳代で30kPa、70 歳以上で20kPa といわれており、20kPa 未満であると舌の運動機能の問題が疑われる。今回の対象者では、60 歳代で約30kPa、70 歳代から85 歳未満においても20kPa 以上の数値が認められた。また、嚥下機能については、頸部聴診により異常が認められた者は11%であったが、反復唾液嚥下テスト(RSST)で3回未満の者は約3 割であった。さらに、年1回以上歯科を受診している者は、全体の約7 割であり、その理由として、「治療のため」は43.4%であり、「定期検診のためは56.6%であった。 また骨格筋量の評価はInbody 770(インボディ・ジャパン社,東京)を用い、生体インピーダンス測定法にて骨格筋指数(skeletal muscle index: SMI)を求 めた。SMIの平均値は、女性5.8±0.7 kg/m2、男性7.2±0.7 kg/m2であった。さらに、対象の女性において、嚥下機能低下と臼歯部の咬合支持と関連が認められ たが、骨格筋指数との関連は認められなかった。 現在、この対象者から採取された唾液から嚥下機能に関連するSubstance Pを検出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象が高齢者のため唾液の採取が予想以上に困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
唾液中サブスタンスPの解析を進め、口腔関連因子および全身の健康との関連について分析を行っていく予定。
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Causes of Carryover |
初年度、前倒し分の残額分を次年度に繰り越したため。
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Research Products
(1 results)