2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the prevention of diabetic nephropathy due to blood TLR ligand derived from periodontal pathogenic microorganisms
Project/Area Number |
18K17305
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
梶原 弘一郎 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (80803915)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | P.gingivalis / LPS / Diabetic nephropathy / VCAM-1 / E-selectin / ACE2 / FGF23 / SGLT2 |
Outline of Annual Research Achievements |
重度歯周疾患のある糖尿病患者が腎症を合併する危険性の高いことは喫緊の問題である。本研究はPorphyromonas gingivalis lipopolysaccharide-toll-like receptor(TLR)2/4経路による糖尿病性腎症の発症機構を明らかにすることを目的とした。本年度は、P. gingivalis由来LPS誘発性糖尿病性腎症マウスにおける白血球接着分子の発現を調べた。Vascular endothelial cell adhesion molecule-1(VCAM-1)とE-selectinの過剰発現はP. gingivalis LPS誘発性糖尿病性腎症の糸球体、尿細管、および毛細血管で観察され、多数のマクロファージの細胞浸潤が観察された。さらに、リン再吸収抑制ホルモン線維芽細胞成長因子FGF23の尿細管間質蓄積とアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の過剰発現が腎尿細管と糸球体で観察された。VCAM-1, E-selectin, Mac-1, FGF23およびACE2のレベルは糖尿病マウスまたはLPS投与マウスよりもLPS投与糖尿病マウスで高かった。これらは、P. gingivalis LPSが糖尿病環境で慢性炎症イベントを促進すること、P. gingivalis LPSが透析患者の独立危険因子であるFGF23蓄積による低リン血症を招くこと、ACE2過剰発現を招くことを示唆している。さらに、近位尿細管で糖の再吸収を担うSGLT2は近位尿細管のみ弱く発現するが腎症マウスでは尿細管と尿細管間質および糸球体で発現した。本研究によって、歯周炎は糖尿病性腎症の独立危険因子であるばかりでなく、糖尿病の増悪因子である可能性を示唆していることが明らかとなってきた。
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Research Products
(4 results)