2018 Fiscal Year Research-status Report
Chronological changes of sarcopenia in swallowing-related muscles: A longitudinal follow-up study among community-living older adults
Project/Area Number |
18K17307
|
Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
松原 慶吾 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (60761294)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 地域在住高齢者 / 摂食嚥下機能の低下 / 低栄養状態 / 口腔機能 / 外出機会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域在住高齢者を対象とし、定期的な嚥下機能に関する包括的な検査(摂食嚥下機能・栄養状態・嚥下関連筋群の筋量、口腔機能、呼吸機能、身体機能、身体の筋量・筋力、生活全般活動)による追跡調査を行うことで、嚥下関連筋群の機能低下を経時的に捉えるとともに、加齢に伴う嚥下機能の低下や栄養状態・全身筋量との関係性を明確にし、サルコペニアや嚥下障害の予防に寄与することである。平成30年度前半は本研究の倫理審査委員会承認を得るまでの予備的期間とし、平成30年度後半は健常高齢者50名を対象に第1回目の調査を実施する。 研究計画通り所属大学の倫理委員会の承認を得て、老人クラブに所属している健常高齢者36例[9月(21例)、3月(15例)]に対し嚥下機能に関する包括的な検査を平成30年度に実施した。さらに、9月に実施した21例の検査結果を分析した結果、検査結果に影響があると考えられた対象者4例を除いた地域在住高齢者17例のうち、摂食嚥下障害のみ疑われたのは2例、低栄養のみ疑われたのは3例、両者ともに認められたのは4例であった。摂食嚥下障害疑い群は正常群と比べ、「年齢」・「最大呼気口腔内圧」・「運動機能」・「口腔機能」に有意差を認め、年齢の影響を除外しても、「口腔機能」は摂食嚥下機能と相関を示した。また、低栄養疑い群は正常群と比べ、「身体の骨格筋量」と「閉じこもり」に有意差を認め、年齢の影響を除外しても「閉じこもり」は栄養状態と相関を示した。これらのことから、高齢者の摂食嚥下機能の低下には口腔機能が関連し、低栄養状態には外出機会が関係している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、本研究の倫理審査委員会の承認を得て、地域在住の65歳以上の健常高齢者50名を対象に第1回目の調査を実施することを計画していた。 本研究の倫理審査委員会の承認を得て、計画よりやや少ないが健常高齢者約40例に対し第1回目の調査を行うことができたため、研究計画通り研究を進めることができていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、平成30年度に調査を実施した高齢者に対し追跡調査を行い、嚥下機能と嚥下機能に関連する諸機能・状態の1年間での継時的変化について検討する。さらに、平成30年度の対象とは別の老人クラブの健常高齢者(約20名)にも、嚥下機能に関する包括的な検査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究では、地域在住高齢者に、定期的な嚥下機能に関する包括的な検査による追跡調査を行うことで、摂食嚥下機能や嚥下機能に関連する諸機能や状態の経時的な変化を捉えることを目的とする。そのため、令和元年度も嚥下機能に関する包括的な検査の実施が必要となる。さらに、得られたデータは随時分析し、成果を公にする予定である。 追跡調査のための消耗品の購入、成果公表の準備に必要な書籍の購入、公表のための旅費が不可欠であり、次年度も研究費の助成が必要である。
|
Research Products
(3 results)