2018 Fiscal Year Research-status Report
Statistical methods for quality of life data analysis measured in cancer clinical trials
Project/Area Number |
18K17314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 拓也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10792450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 臨床試験 / がん治療 / Quality of life / 患者報告型アウトカム |
Outline of Annual Research Achievements |
がん臨床試験では、治療の有効性を評価するために、奏効率や生存時間の他に、患者が報告するQuality of Life (QoL)が測定されることが多い。QoLの比較結果は、臨床研究の主要な結論、ひいては実臨床における意思決定に影響することが多く、患者自身が治療を選択する際にも重要な情報となりうることから、がん臨床試験においてQoL測定は重要である。
がん臨床試験の特徴として、割付治療の開始後、有害事象や腫瘍の増悪に応じて後治療が行われることが挙げられる。収集されたQoLデータを解析する際、統計学的方法論上の課題が二点存在する。一点目は、比較を行う治療レジメンを明確に設定することである。無数に存在する治療レジメンの中でも、動的治療レジメンの比較に近年注目が集まっている。二点目は、QoLの欠測である。患者の都合等による欠測とは異なり、患者が死亡した後の欠測値は避けることができない。死亡による欠測が存在する状況で、生存者に限定して解析を行うと、QoLへの治療の影響について誤った推測を導く危険性がある。死亡による欠測へのアプローチのひとつは、主要層別法に基づいた治療効果に着目することである。しかし、経時治療に対する主要層別法についての研究はわずかである。
本年度は、動的治療レジメンに関する主要層での治療効果の推定方法の考案と、ランダム化がん臨床試験を想定したシミュレーション実験を通して、提案手法の統計学的性能の評価を行った。さらに、提案手法をがん臨床試験データに適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度内に関連研究のレビュー、問題の数学的整理を行い、提案手法を実データに適用できた点で、順調に進展していると言える。 一方で、年度内に研究成果の発表まで至らなかったため、おおむね順調と考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を公表していくと同時に、現在見つかっている提案手法の課題点に対しての補強に対する研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度内に予定していた研究成果の発表を行えなかったため、次年度使用額が変更となった。 学会発表、英文校正、論文公開費用等に支出予定である。
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