2019 Fiscal Year Research-status Report
互恵的相互依存に着目した医療系協調学習の分析と改善
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18K17315
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
清水 郁夫 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60716231)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的相互依存理論 / 協調学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,H29年度に作成した学習者の互恵的相互依存を測定する尺度(SOcial interdependence in Collaborative learning Scale:SOCS)を元に,協調学習方略を用いた多職種連携教育(IPE)における相互依存を明らかにする研究を実施した。 多職種連携グループワークを行った医学,看護,作業療法,理学療法,臨床検査の4専攻の4年次生(n=259)に,多職種連携学習に関する尺度(Readiness for Interprofessional Learning Scale:RIPLS) 日本語版とSOCSを回答してもらい,それらの因子間における共分散構造分析(SEM)を実施した。 228名(88%)から回答があり,SOCSの3因子,RIPLSの2因子を用いてモデル化を行ったところ,x2 = 2.396 (p = 0.302), CMIN/df = 1.198, CFI = 0.999, RMSEA = 0.030, and TLI = 0.996と良好なモデルが得られた。 このモデルでは,means → interprofessional collaboration以外の全てのパスが有意であり, Boundary interdependenceとoutcome interdependenceは interprofessional collaborationと interprofessional identityに正の関係を示した。一方, means interdependenceはinterprofessional identityと負の関係を示した。一般に協調学習において課題の真正性が好まれるが,職種細分化させると逆に多職種としてのアイデンティティ形成を阻害するという,いわば「IPEのジレンマ」が存在することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
H30年度に作成した学習者の互恵的相互依存を測定する尺度(SOcial interdependence in Collaborative learning Scale:SOCS)に関する論文をH31年2月に投稿したものの,1年以上査読の返却がなされなかった。このため,本尺度を用いた研究を投稿することができず,結果として全体の研究計画にも遅れを生じた。なお当該論文はR2年2月末にようやく査読が返ってきており,本報告書作成時点で対応中である。
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Strategy for Future Research Activity |
PBLにおける相互依存を聞き取りしたインタビューの分析と論文化を進める。 また,H31/R1年度に実施した上記研究の論文化を進める。
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Causes of Carryover |
投稿した論文の査読プロセスが遅延し,年度内に投稿料を支払うことがなかった。また,その結果として研究計画自体にも遅れが生じた。
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Research Products
(5 results)