2020 Fiscal Year Research-status Report
地域医療資源を考慮した終末期在宅療養の不安要因解明と療養に伴う負担額の推定
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18K17329
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
尾形 倫明 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人口減少地域での在宅療養 / 人生の最終段階における選択 / consumer direction / 東北地方 / 経済的負担 / 在宅療養 / 医療資源 / 介護資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究の目的」本研究の問いは以下の「東北の住民が自宅で最期まで療養できない理由として経済的不安が高いのはなぜか」である。 「研究実施計画」将来的に在宅療養を受ける、または介護する側になると想定される、東北6県に居住する40歳以上の住民を対象とする社会調査。人生の終段階の過ごし方、在宅療養おける不安、社会経済的な指標を得る予定。また公開された官公庁データ、販売された民間データを用いて各都道府県の経済状況、医療・介護資源に関するマクロデータセットを作成する。ミクロデータである住民の不安要因を応答変数とし、個人指標とマクロデータとの混合効果モデルによる分析を行い、社会資源の状況、個人指標が、住民の不安とどのように関連しているか明らかにする予定である。 本年度、医療資源付いて年齢調整済みデータや人口10万対公開データに基づきデータセット作成を試みた。一部として「最低賃金」青森県33位、岩手県33位、宮城県29位、秋田県33位、山形県33位、福島県31位「納税義務者一人当たり所得」都道府県番号順に46位、42位、18位、47位、43位、32位、「完全失業率」4位、21位、7位、3位、41位、21位と東北の経済指標は良くない。 医療資源の「訪問診療を受けた患者数」青森市11,198、盛岡市12,696、仙台市10,213、秋田市8,602、山形市15,984、福島市15,209、「在宅ターミナルを受けた患者数」同じく青森市104、盛岡市106、仙台市85、秋田市44、山形市65、福島市164、「訪問看護利用者数(介護)」青森市592、盛岡市819、仙台市457、秋田市494、山形市846、福島市831、「退院支援を受けた患者数」青森市1,582、盛岡市3,190、仙台市1,872、秋田市1,824、山形市4,458、福島市2,270など北東北では医療より看護、介護資源を利用する傾向を認める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は新型コロナ感染症の蔓延により三密の回避、人流の抑制、感染予防を求められられたため、緊急事態宣言期間中はもちろんのこと東北各地への出張の制限や自粛をした。学外フィールドにおける人を対象にした調査研究は、通常は自宅への留め置き法を用いて調査者が記入を確認しながら行うものである。しかしながら対面での調査は全く行えなかったため社会調査での遅れが生じている。特に本研究は東北地方の中高年を対象とするため、東北6県で感染の最も多い仙台地区から流行の少ない県内や他県エリアに移動して対面での作業、調査することは、対象者に感染させてしまうリスクがあるため自粛した。 また、通常の年度では代表者が所属する「生と死のヘルスケア研究会」において対面でのディスカッション、ピアレビューを行いながら研究を進めてきたが、新型コロナ感染症による東京都内への集合ができなかったこと、さらに同研究会代表の急逝、他メンバーのオンライン教育への対応によって時間が取れなかったことなどによって十分な研究ディスカッションが行えなかったことも研究が進捗しなかった大きな要因の一つである。 さらに当該年度は所属機関でのオンラインでの教育に対応するため相応の時間を要したため研究エフォートを上げることはできず、マクロデータセット作成のためのデータ収集も町村エリアのデータにおいては不足している地域があるため「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の危機がいつ去るか見通せないため、自宅での留め置き法で、調査者の対面インタビューを含む社会調査計画を変更し、WEB調査(インターネット調査)やランダム性の担保という面では劣るが、エリア投函方式(市町村のとある番地を選んで地区すべての住戸の郵便受けに投函)と郵送回収を組み合わせた調査法のみに変更を図って人との接触を減らしたうえで調査を継続したいと考えている。また、最終年度になっても人流抑制策は続くと思われるので、住民へのワクチン接種が済むことも期待して、研究期間の延長を申請し調査、研究を完了させる予定である。 研究エフォートをこれ以上増やすことはできないと思われるので、変異株の流行などによってもしも調査が完遂できない場合には基金の返還措置を取る予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は新型コロナ感染症の蔓延により三密の回避、人流の抑制、感染予防を求められられたため、緊急事態宣言期間中はもちろんのこと東北各地への出張の制限や自粛をした。学外フィールドにおける人を対象にした調査研究は、通常は自宅への留め置き法を用いて調査者が記入を確認しながら行うものである。しかしながら対面での調査は全く行えなかったため社会調査での遅れが生じている。特に本研究は東北地方の中高年を対象とするため、東北6県で感染の最も多い仙台地区から流行の少ない県内や他県エリアに移動して対面での作業、調査することは、対象者に感染させてしまうリスクがあるため自粛した。上記の新型コロナ感染症の蔓延により出張を伴う社会調査の実施を延期したため、当該年度使用額が少なく、次年度に先送りしたため次年度使用額が生じてしまった。 使用計画としては自宅での留め置き法で、調査者の対面インタビューを含む社会調査計画を変更し、WEB調査(インターネット調査)やランダム性の担保という面では劣るが、エリア投函方式(市町村のとある番地を選んで地区すべての住戸の郵便受けに投函)と郵送回収を組み合わせた調査法のみに変更を図って人との接触を減らすなど、社会調査の方法、規模を適正に見極めて実施し計画的に使用する。調査が十分に行えずに研究期間の終了に至った場合には返還を申し出ることも考慮することとする。
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Research Products
(3 results)