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2022 Fiscal Year Research-status Report

地域医療資源を考慮した終末期在宅療養の不安要因解明と療養に伴う負担額の推定

Research Project

Project/Area Number 18K17329
Research InstitutionTohoku Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

尾形 倫明  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords在宅療養 / 地域資源 / サービス利用率
Outline of Annual Research Achievements

前年度の研究により、村に居住する者は、市町に住む者と比べて在宅療養における不安が高いことがわかった。そこで、東北地方の村の在宅介護にかかる状況についてまとめた。具体的には県庁所在地(市)と同一県内の村の在宅療養にかかる資源について比較し説明を試みた。今回は特に太平洋側の岩手、宮城、福島の3県について明らかにした。市町村で把握可能な介護系の資源、指標について考察した。
要介護の認定率、全体の介護サービス利用率は県庁所在地と村で傾向はなかった。在宅サービスの受給率は村で低い傾向になった。施設サービスの人口10万対の定員、受給率は村で高い傾向にあった。夜間対応型訪問介護は給付額で見るとすべての村が0であった。定期巡回・随時対応型の訪問介護看護は村では2/3が給付0であった。認知症対応型通所介護の給付額は56%の村は0であった。小規模多機能は69%の村で給付が0であった。小規模多機能(看護)は75%の村で給付が0であった。
県庁所在地の市と比べて村では、施設サービスの定員や受給率が高く、中重度となっても在宅での生活が続けられる地域密着型サービスの普及が遅れている。結果としてサービスが選択できず、最後まで在宅で過ごすことを困難にしている可能性が示唆された。
そこで実際に在宅死に関わるレセプトの件数について比較を試みた。人口10万対の自宅死亡数、居宅療養管理指導は県庁所在地と村で傾向はなかった。訪問診療レセプト件数は53%の村で0であった。往診レセプト件数は58%の村で0であった。在宅ターミナルケア、看取りのレセプト件数はともに県庁所在地では発生していたが、すべての村で0であった。在宅療養を最後まで面倒を見てくれる在宅療養支援診療所などが村では不足している可能が考えられた。
中重度の状態になってもケアをしてくれる資源の少なさが、村での在宅療養に対する不安感を高めている可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症の蔓延により対人の社会調査が遅れている。22年度も学外に気軽に調査に出向ける状況でもなかった。次年度よりCOVID-19が5類に移行されることもあり、次年度は社会調査を行うことで研究課題を完了させる。

Strategy for Future Research Activity

選挙人名簿の閲覧による対象者の集積は時間、コスト的に困難であると考えた。そのためエリア調査法とWEB調査の組み合わせによって安価に社会調査を実施したい。人口密集地はWEB調査、過疎地はエリア調査を組み合わせることで予算内で課題を行う予定である。

Causes of Carryover

今年度も感染予防、人流抑制のため研究目的で移動することが減り旅費の支出が激減したこと、学会、研究会もオンライン開催になり東京に行かなくとも済む
ようになったこと、参加費、消耗品、書籍、サブスクリプション型のアプリケーションなどを自費で賄ったため今年度の支出が減少し余剰金が大きくなった。ま
た、本来は社会調査を行う予定であったが、新型コロナ感染症の流行が収束せず第6波が到来するなど、所属研究機関の行動制限や、住民、調査員の感染対策や
人との接触に対する拒否感が残っており東北地方の各地に行って調査をすることができなかった。調査員を使った紙の留め置き調査からは無作為性は犠牲となるがエリア調査法と、WEB調査に組み合わせで実施予定である。調査方法の変更により調査費用が減り助成金に残金が生じた場合には差額を返還の予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 患者が抱く他者への負担感(SPB)にかかわる援助的コミュニケーションの研究 ロールプレイを用いた研修効果の推定2022

    • Author(s)
      千葉宏毅, 守屋利佳, 森谷就慶, 尾形倫明, たら澤邦男, 佐橋正寅, 小澤竹俊, 千田恵子, 浜田努, 久保田千代美
    • Organizer
      ヘルスコミュニケーションウィークプログラム2022
  • [Presentation] 年代の違いに着目したがん患者の都道府県別在宅看取り割合と医療資源等との関連に関する研究 NDB集計データと公開データを併用した日本の全国調査2022

    • Author(s)
      たら澤邦男, 尾形倫明, 千葉宏毅
    • Organizer
      第60回日本医療・病院管理学会学術総会
  • [Presentation] 地域経済循環分析からみた看護職員の就労特性の分析2022

    • Author(s)
      尾形倫明, 伊藤道哉, 伊藤弘人
    • Organizer
      第60回日本医療・病院管理学会学術総会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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