2018 Fiscal Year Research-status Report
Program development for promoting adherence to ADHD treatment using fNIRS
Project/Area Number |
18K17330
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
池田 尚広 自治医科大学, 医学部, 助教 (90570383)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 注意欠如・多動症 / 光トポグラフィ― / アドヒアランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、注意欠如・多動症(以下、ADHD)の治療アドヒアランス(患者による主体的な治療の継続性)向上のため、被験者本人及び家族へ、ADHDの特性を理解するための有効な情報提示方法の開発を目的とする。 その方法として、これまで提案者らの研究グループが開発してきた、脳機能検査法である光トポグラフィ―(fNIRS)を用いた、脳活動結果のフィードバックを行い、その結果として被験者の理解度が向上したかどうかを質問紙によって確認する。 本年度においては、①研究体制の準備、②fNIRS検査結果のフィードバック、③質問紙を用いた患者と家族のADHDの理解度評価を予定していた。①研究体制の準備については、自治医科大学付属子ども医療センター及び、共同研究機関である国際医療福祉リハビリテーションセンターにおいて、被験者をリクルートできる体制を整えた。さらに、実際に被験者へfNIRS検査を行い、ADHDに対する治療前後の脳活動変化を示し、フィードバックを行うことで、②まで研究を進捗することができた。以上から、被験者と家族に対するfNIRS検査とその結果をフィードバックする体制を確立することができた。 一方で、③の質問紙を用いた患者と家族のADHD理解度の評価、行えていない。そのため、脳機能検査及び結果のフィードバックがどの程度、被験者の理解度に貢献しているかどうかを検証することはできておらず、今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度においては、①研究体制の準備、②fNIRS検査結果のフィードバック、③質問紙を用いた患者と家族のADHDの理解度評価を予定していた。 ①及び②については、上述の通り、当初の予定通り、進捗することができた。これまで提案者が行ってきた、fNIRSを用いたADHD研究の手法を取り入れ、早期に研究体制を確保することができた。 一方で、③に関しては、年度内に予定通りに進捗することができなかった。理由としては、被験者の年齢や理解に応じた質問事項を選定することに難渋した。もともと準備していた質問紙では被験者が十分に意味を理解し、回答することができない場合があり、質問紙の結果に影響する可能性が高いと判断した。そのため、より被験者年齢に合った質問へ質問紙の項目を一部変更して施行する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、被験者に対する質問紙の準備が課題となる。対応策として、再度、質問紙の内容を検討している。自治医科大学付属子ども医療センターでは、他疾患の小児患者に対して行ったアンケートや質問紙がある。それらの内容を確認し、より被験者年齢に合った質問内容へ変更した上で使用する方針としている。 また、次年度以降では、研究参加者の経過をモニタリングし、治療薬継続率の確認を行っていく予定である。こちらはこれまでに参加した被験者を追跡していくことで、予定通り行うことができると考えている。
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Causes of Carryover |
本年度の研究においては、これまでの研究に使用した機器を使用することで、研究体制の準備を行うことができた。 今後、データの集積と解析が必要となること、研究体制の確立に伴い被験者数が増加するために脳機能検査回数が増加し人件費が必要となる。従って、本年度の予算を次年度へ繰り越し、当初予定していた計測データの管理及び解析のための備品購入費と、人件費として使用する方針である。
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