2019 Fiscal Year Research-status Report
小児の安全な鎮静は可能か?合併症の網羅的アンケート調査とリスクスコアの開発
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18K17335
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 英城 東京医科大学, 医学部, 助教 (10630791)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 鎮静 / MRI / アンケート / リスクスコア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年小児MRIの鎮静に伴う合併症は社会的にも注目され、3学会共同提言も出されている。しかしながら、鎮静実施、鎮静後帰宅の可否を判断する明確な指針は無く、結果として過剰な入院管理をせざるを得ない現状がある。またこれらの煽りを受け人手やベッドなど潤沢な資源を持たない医療機関では、鎮静を必要とする小児MRIを制限せざるを得なくなり、患者が不利益を被っている側面もある。本研究はこれらの現状に対し、①鎮静早期から帰宅後の晩期まで含めた網羅的アンケート調査の実施により、潜在的な合併症発生リスク因子を抽出、②集計後に統計学的処理を行いリスクスコアとして完成させ、③小児MRI鎮静の安全性の向上、根拠のない入院および期間の延長を減らし医療資源・医療費の節約へ貢献することで社会・国民に還元する事を目的とする。 1年目は前方視的研究のため、その前段階として当院倫理委員会を申請する必要があるため、申請書を作成している。同時に多施設共同研究を目指していることもあり、他院と共同で患者同意書・アンケート調査表を作成した。 2年目は倫理申請が長引いており、主施設の倫理審査が通過した後に当院での研究は進めつつ、他院に共同研究をお願いする予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今、倫理違反の研究が話題となり、当院倫理委員会において認可を得ることが難しくなってきている。完全に匿名で行う事はアンケート調査のため難しく、またリスクスコアを見積もるために、その項目も洗練されなければならない。1年目の終了時からは倫理審査は進んでおり、インフォームドコンセントを行う上で、理解力のある小児に対してはインフォームドアセント文書が認められれば通過する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
主施設の倫理審査が通過した後に、他施設での倫理審査があるため、他施設が運用するためにはまた時間を要することとなる。 まずは主施設でのアンケート調査を進めていく中で、他施設の倫理審査が承認されれば、その段階でお願いする予定である。アンケート調査のため、症例は多い程信憑性に繋がる。研究期間内で症例が少ない場合は延長を希望することも必要と考える。
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Causes of Carryover |
倫理審査承認されていないため、アンケート調査が開始できていない状況である。アンケート調査が始まれば、データ解析に伴う支出、アンケート調査の謝金が発生する。
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