2020 Fiscal Year Annual Research Report
The study to prevent improper use of masks and eye guards that may be the mode of transmissions
Project/Area Number |
18K17336
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田代 宗嗣 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40778619)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 経路別予防策 / 間接接触感染 / 標準予防策 / ふき取り検査 / 歯科 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科診療所では,標準予防策で感染性物質として扱う唾液と接することは回避できない.間接接触感染経路としては,飛沫が届く範囲,手指で接触しうる環境表面が問題となるが,マスク,アイガードの患者ごとの交換や消毒は確実には行われていない.さらに使用後に診療着のポケットに入れて再使用する可能性が考えられ,ポケット内にも汚染が拡大する.このことは感染対策上,問題となる恐れがあるが,環境表面の汚染は目視が出来ない.マスク,アイガード,診療着のポケットを介した間接接触感染防止策を検討することを目的に,これらの汚染度の調査を行った.ATP+AMPふき取り検査を,診療着の胸,腰ポケット,マスク,アイガードに対して実施し,汚染度を調査した.汚染度の基準は500RLUとした.対象は歯科医療機関の外来処置,計24処置とした. 診療着ポケットの平均汚染度は胸:1099RLU,腰:2074RLUと基準値を上回った.ペンや手帳の出し入れは診療室で日常的によくみられる.そこから手指を介して別の環境表面へと汚染を拡大させる可能性がある.ポケットには何も入れない,診療着からポケットをなくすことが感染対策に有効である可能性が示唆された.ゴーグルの平均汚染度は処置前:602RLU,後:520RLUで,ともに基準値より高い値を示し,9処置で基準値より高い値を示した.マスクの平均汚染度は処置前:448RLU,後:404RLUで,ともに基準値より低い値を示し,5処置で基準値より高い値を示した.処置内容や部位によってはマスク,アイガードは汚染されることが分かった.診療中にマスクを外して患者に説明すること,ずれたゴーグルを直すことが日常的に行われている.これらは日常使用のマスクや眼鏡とほぼ同じ仕様のため,日常生活動作と区別できず無意識に触れている可能性がある.今後,診療時の様子を観察し,接触の有無を調査する必要がある.
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