2018 Fiscal Year Research-status Report
がん医療に携わる心理職を養成するための教育・研修システムの構築
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18K17343
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
柳井 優子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 心理療法士 (00727886)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サイコオンコロジー / 心理職 / 教育・研修システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、わが国のがん医療に携わる心理職の質の向上と、それを担保する教育・研修システムの構築を図るために、がん医療に携わる心理職に必要とされるコンピテンス(知識と技能)を明らかにするとともに、現場で必要とされる教育・研修内容を明らかにすることが目的である。 今年度は、がん医療に携わる心理職に必要とされるコンピテンスの構成要素に関する検討を行った。具体的には、文献検索データベース(PubMed、MEDLINE、Cochrane library、PsychINFO、Web of Science、医中誌、CiNii)を用いて、がん医療に携わる心理職に必要とされるコンピテンスに関して言及しており、過去10年に発表された論文に関する検索を行った。 その結果、適格基準を満たす論文の大半は国内論文であり、わが国における心理職のあり方に対する問題意識の高さが伺えた。また、該当論文の多くは論説であり、心理職のコンピテンスそのものを対象とした実践的研究が不十分である可能性が示唆された。このことから、本研究の重要性が再確認された。 検索により該当した論文から、がん医療に携わる心理職に必要とされるコンピテンスに関するキーワードを抽出し、カテゴリー化を行った。今後はさらに質的内容分析、および、専門家のリファレンスグループ内で意見交換を行い、がん医療に携わる心理職に必要とされるコンピテンスの明確化を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では平成30年度内にコンピテンスリストを完成させる予定であったが、まだ作成段階であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
がん医療に携わる心理職に必要なコンピテンスに関して、これまでに抽出した項目についてテキストマイニング法を用いて質的分析を行い、コンピテンスリストを作成する。作成したリストに関して研究者間でピアレビューを行い、項目の精緻化を行う。専門家のリファレンスグループ内で意見交換を行い、最終的な項目リストを作成する。 また、心理職、医療従事者を対象にフォーカスグループインタビューを行い、がん医療領域で働く心理職の教育・研修のあり方に関する検討を行い、がん医療に携わる心理職に必要な教育・研修の構成要素を整理する。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れにより、当該研究で必要となる物品費や人件費の使用がなかった。また、参加を予定していた複数の学会に出席しなかったため、旅費の使用もなかった。 次年度は、遅れている分の研究を遂行するために必要な物品を購入し、また、学会等に参加して当該研究に必要な情報収集を行い、研究成果も発表していく予定である。
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