2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of soil inhabited by amoebae which causes meningoencephalitis and development of new cell-free culture method
Project/Area Number |
18K17349
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山内 可南子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (80740810)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アメーバ性髄膜脳炎 / 無細胞培養 / 生息特性 / 土壌解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、環境下におけるバラムチアの生息特性を明らかにし、新たな培養法を構築する研究である。これまで報告されるバラムチア培養法は、グルコースを主な栄養成分とするBM-3や接着細胞を足場とした細胞培養法(RPMI1640)がある。共に富栄養の培地で、細菌が共生する環境由来バラムチアは、細菌有意の増殖により死滅する。そこで本研究では、①土壌中に生息するバラムチアの生息特性を明らかにし、②新たな無細胞液体培地の開発を行うことを目的としている。平成30年度は、バラムチア生息土壌における栄養特性を明らかにし、令和元年度は、前年度までの生息特性の結果を基に複数条件の施策培地を用い、環境株及び臨床株の発育効果を検討し環境株の培養に成功した。令和2年度は、環境株に内在する細菌の除菌方法を模索するため、試作培地への抗生剤の添加を予定していたが、新型コロナウイルスの流行、妊娠期間により実施が困難であった。その後、令和3年度育児休暇からの復帰後は、試作培地への抗生剤の添加実験を実施した。一般的に液体培地に用いられているペニシリン及びストレプトマイシンの添加を実施し、2種の抗生剤を段階希釈しによりアメーバの発育と除菌効果を検討した。しかしながら現段階では、アメーバの発育及び除菌に至適な濃度は発見できていない。本研究では、青森県内土壌を用い環境DNAを採取し、バラムチアの生息する土壌について化学的・物理的解析から、バラムチアは国際分類法におけるLoam~Clay Loam土壌などの富栄養条件の土壌でミネラルを豊富に含むアルカリ性土壌を好むことが明らかとなっている。また試作培地においても、土壌内の電気伝導率に近しい値に調整した液体培地では、世代時間60~70時間と長いものの途中死滅することなく発育を継続した。今後は、臨床及び環境株ともに発育可能な、より発育の早い培地の作成を試みる予定である。
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