2023 Fiscal Year Annual Research Report
Improving the accuracy of screening by focusing on calcification in mammography screening and building a foundation for new management
Project/Area Number |
18K17350
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 章子 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (50723912)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対策型乳癌検診 / 過剰診断 / がん登録 / PPV |
Outline of Annual Research Achievements |
検診精度向上のため年齢階級別対策型乳がん検診の意義について検討した。 内閣府の2023年高齢社会白書で65歳以上の高齢化率は29%と報告された。年齢階級別の全死因の中の乳癌死の割合は40-64歳では10%以上であるが、75歳以上では3%未満である中、リスク層別化検診を模索する中で年齢要因は重要な検討課題である。対象は2011-2015年に40歳以上でマンモグラフィ検診(対策型検診)を施行した192,893例で検診結果と同時期の宮城県癌登録による年齢階級別罹患率とを比較した。全体の要精査率は3.0%、発見乳癌は666例、PPVは9.69%、癌発見率は0.29%であった。年齢階級別では、 要精査率は40-44歳で4.4%、80-84歳で1.9%、PPVは40-44歳で3.1%、80-84歳で19.7%、癌発見率は40-44歳で0.13%、80-84歳で0.36%であった。発見癌の早期癌割合は全ての年齢階級で高いが、75歳以上では特に高い傾向があり、高濃度乳房の比率が低下することや比較読影が利用できることなどが考えられた。検診受診者10万人あたりの罹患率を推定算出し癌登録による実数データと照合すると、検診発見乳癌は若年階級ほど両者の差が大きく、検診の感度が低く、対策型検診以外での発見(自覚症状あり受診)や中間期癌が多い可能性などが考えられた。高齢階級では両群の差が縮小し、検診の感度が保たれているが、過剰診断や自覚症状をもって検診を受けるなどのバイアスの影響が示唆された。癌発見コストは若年階級ほど高い傾向にあった。高齢化社会が加速する中で、検診による過剰診断を回避するための検診年齢の上限設定や、個人差が大きい高齢者の治療強度を判定するための指針設定が望まれる。検診精度の向上、医療経済・効果を考慮したリスク層別化による乳癌検診の模索する中で、年齢は重要な要因であると考えられた。
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