2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of risks for hypertension and arteriosclerosis based on a potential anion gap behavior
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18K17352
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬藤 和也 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60771350)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アニオンギャップ / 高血圧 / 動脈硬化 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
内容1)各月4日、8か月間(計32日)のフィールドワーク調査を通じて、計2,616件の検体及び臨床情報の収集を行った。昨年度得られた情報を加えた計3,236件について、循環器疾患関連指標の5年間の変化と各種電解質濃度(Ca,K,Na.Cl,P,Alb,Glo)との間の関連解析を実施した。この結果から性別、年齢や飲酒喫煙習慣、服薬、腎機能とは独立に特定の電解質濃度と循環器指標とが関連することが見出された。なおこの関連解析は測定した各電解質を共変量として加えており、それぞれの電解質ごとの独立した性質であると解釈できる。また循環器指標の変化を評価するにあたっては平均への回帰現象を考慮に入れた解析を実施している。 意義1)現時点の情報量での解析ではあるが、特定の電解質濃度と循環器関連項目との関連が見出すのに適した解析方法が見出されたと考える。これを今後の解析方針の基盤として利用する。
内容2)ベースライン調査での各種電解質濃度値ならびにメタボローム解析データを用いた線形モデルの残差を用いて、本研究で測定対象としている重炭酸イオンならびにアニオンギャップの推定値と最高/最低血圧および動脈硬化指数との関連を確認した。これらの生体イオンの測定値ならびに推定値が濃度依存的にかつ有意に循環器指標と関連することを確認できた。 意義2)研究の目的としているアニオンギャップの健常人における微小な変化がその時の循環器疾患指標に値依存的に関係することが確認でき、実際に高精度なアニオンギャップを測定した際にも同様に目的としている関連が見出される期待が高まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体の収集ならびに解析方法の検討については十分な進展がみられる一方で、重炭酸イオン濃度の測定に至っていない。その理由として、できるだけ多くの検体について重炭酸イオン濃度を測定すべく行った企業との交渉に想定以上の時間を要したことが挙げられる。結果として当初の予算定された測定可能数の約1.8倍の測定が可能となる見通しが立ったものの、主題である高精度アニオンギャップの計算に至ることができていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)引き続き今年度実施予定のフィールドワーク調査を通じて検体ならびに臨床情報の収集を継続する。 2)ベースラインとなる調査での収集されている検体を用いた重炭酸イオン濃度の測定を行い、目的とする高精度アニオンギャップの算出を行う。 3)新たに得られた臨床情報を加えて解析結果を更新する。加えて、腎機能や呼吸機能による生体電解質濃度の調整に着目し、より正確な関連解析を実施しるための解析手法を検討する。
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