2019 Fiscal Year Annual Research Report
The ubiquitin like proteins, FAT10, is involved in KSHV viral productions
Project/Area Number |
18K17362
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
阿部 温子 (杉本温子) 藤田医科大学, その他部局等, 日本学術振興会特別研究員(PD) (70780774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘルペスウイルス / FAT10 / ユビキチン様タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)の溶解感染において、重要な役割を果たす因子を探索した。網羅的プロテオーム解析を用いてKSHV溶解感染で発現が上昇する因子を探索した結果、UBLのE1であるUBE1L2の発現が著しく上昇していたことから、その基質であるFAT10について研究を行った。ウエスタンブロッティング法を用いてKSHV溶解感染誘導後のFAT10の発現を確認したところFAT10に修飾を受けていると思われるタンパク質の存在を多数確認した。また、CRISPR/Cas9システムを用いてUBE1L2をノックアウトした結果、KSHVの粒子産生が明らかに減少した。このことからKSHVの粒子形成にUBE1L2-FAT10系が関与していることが示唆された。 FAT10はユビキチン様タンパク質であるため、ターゲットタンパク質に結合することで、ターゲットタンパク質を制御する。ターゲットタンパク質を探索するために、さらにIP-MSおよびエピトープタグを用いてプルダウンを行なった。その結果、11種類のKSHVタンパク質が候補として示唆された。これらの候補タンパク質についてプルダウンアッセイを用いてFAT10との結合を確認したところ、KSHVのウイルスタンパク質のうち、ORF59およびORF61といった、少なくとも2種類のウイルスタンパク質がFAT10化されることを発見した。特にORF61はウイルス粒子形成に関わることが示唆されている。これらのタンパク質は構造・機能ともにヘルペスウイルス間で高く保存されているため、同じガンマヘルペスウイルス亜科に属するEBVのホモログもFAT10化される可能性が非常に高い。
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