2018 Fiscal Year Research-status Report
数理・統計・疫学モデルを利用したRSウイルス感染症流行の時空間異質性の解明
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18K17368
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水本 憲治 京都大学, 総合生存学館, 特定助教 (90730218)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RSV / 死亡割合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本独自の環境要因等を考慮しながら、時空間ダイナミクスのモデル化を通じて、RSウイルス感染症による感染時致命割合・感染伝播力を、都道府県別・シーズン/週別・年齢群別に推定し、さらに時空間的異質性をもたらす要因を解明すると共に、効果的な疫学的介入方法を同定し、一連の過程を通して感染症予防対策に関する政策意思決定に資する根拠を数値として提供することである。 本研究の最終到達目標は、疾病負荷が極めて高いRSウイルス感染症の感染時致命割合・感染伝播力の推定、その時空間的異質性の要因の解明、医学的・非医学的介入による疫学的効果の提示を通じた、感染症対策における政策判断体系の基礎の提供であり、その一つに、「1. RSウイルス感染症の感染時致命割合・感染伝播力は都道府県別・シーズン/週別・年齢群別にどの程度異なるのか.」がある。 初年度である平成30年度は、RSウイルス感染症による死亡割合について、都道府県別・シーズン/週別・年齢群別に推定し、その時空間的異質性をもたらす要因について研究結果を得られたことから、現在、これらの研究結果について国際学術誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RSウイルス感染を主な対象として、感染伝播力及び感染時致命割合の二つの指標について、1)時空間的異質性が存在するのか、2)時空間的異質性をもたらす要因は何で、疾病負荷を低減させる有効な対策は何か、という学術的な問いが、本研究の核心である。 初年度である平成30年度は、RSウイルス感染症による死亡割合について、都道府県別・シーズン/週別・年齢群別に推定し、その時空間的異質性をもたらす要因について、研究結果を得られたことから、現在、これらの研究結果について国際学術誌に投稿中である。 総合的に判断すると、現在までの進捗状況としては概ね良好と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の課題について研究を推進し、受理を最優先の目標とする。本研究成果から得られた、時空間異質性をもたらす要因を考慮しながら、追加研究を実施する。具体的には、当初の研究計画記載の、RSウイルス感染症のその他の重要な指標についての推定、その時空間異質性の要因の解明などである。 その他、追加研究に必須となる、感染症サーベイランスデータ及び環境要因等のデータを整理し、分析に必要な環境を整えていく予定である。
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