2018 Fiscal Year Research-status Report
多胎妊娠のレセプトNDB分析を通じた地域別周産期医療の質の評価
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18K17372
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
前田 恵理 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (30778395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 帝王切開 / 多胎妊娠 / レセプトNDB |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では正常妊娠・分娩が保険外診療の枠組みで取り扱われており、妊娠・出産に関する全国規模のデータは極めて限られている。例えば、出生数や死産数は人口動態統計に基づいて住所地で登録されているため、出生や死産の場所(医療機関所在地)に関する情報は、辛うじて文字データで存在するだけで、これまでに集計が行われたことはない。そのため、里帰り分娩の頻度について正式な統計は存在しないし、どの地域のどのレベルの施設(規模・機能等)がどのような患者(母体年齢などリスクの有無)の診療にあたっているかについて全体像を把握することは極めて困難である。日本産科婦人科学会が運営する周産期登録データベースへの参加施設数も、年々増加傾向にはあるものの、全体から見ると一部に留まっている。このような状況下で、「多胎妊娠」に関するレセプト情報の解析はわが国の周産期医療の全体像を知る手がかりになり得る。「多胎妊娠」は、通常初診時から保険診療となることが多く症例のほとんどが最終的に帝王切開術(保険診療)で出産する。本研究では、わが国の多胎妊娠の妊娠・分娩管理について記述的に明らかにすることを目的に、レセプトNDB特別抽出情報(個票)を利用して多胎妊娠症例の受診頻度、転院・搬送、入院期間、医療機関の種類(NICU有無、病床数等)、産科合併症の発生率について記述的に明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レセプト情報の分析に時間を要しているため。レセプト情報の利用者に技術支援員を追加する申請を行った。承認され次第、人員を増やして効率的に解析を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成20年~26年の医療施設静態調査で分娩の取扱のあった医療機関の個票データについて、統 計法第33条第2号に係る申出を行い、二次医療圏別の周産期医療体制の経時的な変化に関する情報収集を行う。用いるデータは分娩数、帝王切開数、分娩担当医師・助産師数(常勤換算)、新生児特定集中治療室(NICU)及び母体・胎児集中治療室(MFICU)の病床数等である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に遅れが生じたため。今年度は解析人員増加に伴う支出が見込まれる。
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