2020 Fiscal Year Annual Research Report
Accuracy evaluation of predicted disease state transition by Markov model and its application to cost-effectiveness analysis
Project/Area Number |
18K17381
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秋田 智之 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (80609925)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マルコフモデル / 精度 / 費用効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はマルコフモデルの確率推移行列の精度およびマルコフモデルにより推定した状態分布の精度評価のために、予測状態分布の95%信頼区間の構築法を検討することである。 最終年度となる今年度は、これまで構築したマルコフモデルによる予測状態分布の95%信頼区間の構築法を用いて、マルコフモデルを費用効果分析に適用する際に、病態推移確率の元データである状態間の推移数(人年)が、費用と効果の推定精度に与える影響について、研究例をもとに試算した。 試算には、うつ病を発症した糖尿病 かつ/または 冠動脈性心疾患(CHD)患者に対する治療を検討した研究(BMJ Open, 2016:6:e012514)のデータを参考に以下のモデルを設定した:病態推移モデルは3状態(A非うつ、Bうつ、C死亡)のマルコフモデル、推移確率はA→B 37%、A→C 0%、B→A 27%、B→C 2%、C→C 100%、費用はA £1516、B £1730、HRQoL scoreはA 0.196、B 0.158。 割引率を2%とし、全員がAの状態からスタートし、追跡開始から5年間マルコフモデルによりシミュレーションしたとき、5年間の一人当たりの延べ費用は£9,687、QALYは1.028となる。 しかし、推移確率算出のもととなる各状態からの推移数を100とした場合、一人当たりの延べ費用の95%信頼区間は£8,107~11,269、同QALYの95%CIは0.856~1.200となり、相対精度が±20%程度となっていた。実際の臨床データでは、各状態からの推移数が100を超えないケースもあると考えられるため、相対精度が±20%を超えるケースがあると考えられる。 本研究では、推移確率算出の基となったデータをもとに根拠に基づき費用効果分析の結果を信頼区間という形で評価することが可能であり、医学分野で有用な方法であると考えられた。
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Research Products
(1 results)