2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人地域住民における血圧変動と心血管病・認知症に関する研究:久山町研究
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18K17382
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂田 智子 九州大学, 医学研究院, 助教 (50815016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血圧変動 / 認知症 / 心血管病 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)心血管病、認知症発症の追跡調査、データベースの作成、検証 福岡県久山町では、1961年以降、町の健康診断の受診者を対象に時代の異なる複数の追跡集団(コホート)を構築し、心血管病および認知症発症についての追跡調査を行っている。 本年度は、毎年の健康診断、追跡調査を行うとともに、1988年に健康診断を受診した60歳以上の住民1193人を対象に、追跡調査の成績を用いて、17年間にわたる認知症発症のデータベースの検証を行った。また、同年の健診を受診した40歳以上の住民2634人を対象に、追跡調査の成績を用いて、24年間の心血管病八署のデータベースの更新を行った。 (2)体位による血圧変動と認知症発症との関連の検討 (1)で検証を行ったデータセットを用いて、1988年に座位、臥位それぞれの体位で測定した血圧値を用い、体位による血圧変動と認知症発症との関連について検討した。対象者を座位血圧値、臥位血圧値により、正常群(座位血圧・臥位血圧とも140/90 mmHg未満)、座位高血圧群(座位血圧140/90 mmHg以上、臥位血圧140/90 mmHg未満)、臥位高血圧群(座位血圧140/90 mmHg未満、臥位血圧140/90 mmHg以上)、両体位高血圧群(座位血圧・臥位血圧とも140/90 mmHg以上)の4群に分類し、認知症との関連を検討すると、正常群に比し、臥位高血圧群、両体位高血圧群では、全認知症の発症リスクが有意に高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なデータセットを整備し、体位による血圧変動と認知症発症との関連に関する統計解析に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)体位による血圧変動と心血管病との関連についての検討 今回整備を行った1988年の追跡集団を用いて、心血管病との関連についても検討する。
(2)2007年の追跡集団を用いて、血圧の日間変動・日内変動または測定環境による変動と心血管病・認知症発症との関連についてCox比例ハザードモデルなどを用いて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成30年度の当初の計画では、研究補助者に支払う人件費を支出する予定であったが、実際には研究補助員を雇用する必要がなかった。 (使用計画) 平成31年度は、本研究をさらに推進するため、必要な研究補助員を雇用予定であり、その人件費、また研究成果を学会等で公表するため旅費として、使用予定である。
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Research Products
(3 results)